パネルディスカッション 全体協議会
発題・講演を巡り活発に議論
1日目、パネルディスカッションでは、ナグネ宣教師が、「伝道の進展」について、「神の国が広がって行くイメージ」と述べたことから議論が始まった。信徒の参加者、木俣努氏から、「伝道が、牧師中心になり、理解できる言葉で神の国が語られていないのでは」との意見があった他、津村正敏氏が、「信徒の役割」について問うた。パネラーから、神の国は躓きと共に、神の働きの中で受け止められること、信徒会の発足による、各個教会を越えた祈りの交わりの重要性等が述べられた。
北紀吉牧師の「紛争中、伝道・宣教が反国家としてのみ語られ、言葉を共有していなかった」との発言に、孫裕久牧師は、「時代の中での必然性がある。一部の主張で全体ではないのでは」と疑義を呈した。北牧師は、「当時は、一部ではなく大勢」、「どちらが悪いということではなく、キリスト主権でなくなる時、教会は危ない」と応じた。
具志堅篤牧師が、基地問題に対し、怒りを原動力に対応することは、「祈りによってしか解決できない沖縄の深い問題を見えなくする」と述べ、キリスト者として健全に社会問題に向かい合う姿勢について問題提起し、パネラーが、意見を述べた。
小林克哉牧師は、共通項と共に、違いを明らかにして行くことの重要性を述べ、救済論の違いについての議論があった。違いへの対応について、「立ち止まり、すり合わせるべき」、「違いの克服ではなく、神の栄光が顕されることに集中すべき」等の意見があった。
2日目、全体協議では、分団報告の後、特に、大濱徹也氏講演が指摘した天皇制問題の質疑応答に時間が割かれた。大濱氏は、キリスト者が天皇にシンパシーを感じて来た事実を脇に置き、観念的に批判することの意味のなさを指摘。「天皇制を、政治システムの問題として批判するのではなく、自分より偉い権威に結びつくことによってでしか自分を位置づけられない人間の在り様の問題とし、自らのこととして受け止めるべき」と述べた。
原裕牧師は、東北において、震災が愛の業に駆り立て、垣根が取り払われたことを述べ、国際会議の宣言に立つ大切さを述べた。
(嶋田恵悟報)