「第30回外キ協全国協議会」が1月28日~29日にかけて在日本韓国YMCAを会場にして開催された。「外キ協」とは「外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会」の略で、この法案の制定に向けて全国各地域で活動している各外キ連の代表者と加盟教派・団体の代表者約40名の参加者があった。教団関係者としては、長崎哲夫総幹事をはじめとして、外キ協事務局長秋葉正二氏、NCC議長小橋孝一氏、NCC総幹事網中彰子氏など8名の参加があった。
協議会の流れは、開会礼拝、基調提案、全体協議と続き、今回の主題である「外キ協30年の歩みを共有し、宣教課題を定立しよう」を基本線として、2015年活動報告並びに2016年活動計画について話された。活動計画の主な課題は、「外国人基本法の制定にむけて」の署名活動の展開と6月12日を各教会での祈りの日としてもらうことをはじめとして、「ヘイト・スピーチに抗し、人種差別撤廃法案の実現」を課題とすること、2012年入管法の是正と法改正を求めること、東日本大震災で被災した外国人を支援することなどを主な課題とすることが協議された。
また、協議の合間に特別講演やシンポジウムが開催されたが、特に李清一氏(在日韓国基督教会館名誉館長)による「日本のキリスト教界と外キ協の30年」の講演では、30年間の全国集会の報告書の厚さは18cmにも及び、その間、第1回からの外キ協の活動精神に一貫性があることが紹介された。特に、外キ協の活動の前史にあたる指紋押捺拒否の運動は、1981 年に二人の高校生姉妹が指紋押捺を拒否したことに大いに刺激と触発を受け、それ以後10 年以上に亘る指紋押捺撤廃までの運動の原動力となったことが伝えられた。
日本基督教団でも在日韓国朝鮮人連帯特設委員会を通して、各教区総会において、「『外国人住民基本法』の制定を求める国会請願書」への署名活動を続けているが、今年も新たな気持ちで、署名に協力していただきたい。(宮本義弘報)