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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4836・37号】第39総会期 第5回 常議員会2

2016年3月12日

将来構想検討委報告で論議
 教団将来構想検討委員会の佐々木美知夫委員長は、8回に及んだ委員会を踏まえた答申中間報告を行った。佐々木委員長は、3頁にわたる中間報告で、「信徒の高齢化、若年層減少、伝道不振、財政の逼迫が更に深刻化する状況がある」とし、「教団が一定の方向性を見出し、新しい局面を描き出せる態勢を取ることが必要」との答申の基本的姿勢を明らかにした。

 中間報告は、教団の現状が、「現住陪餐会員20名以下の教会・伝道所は535で、教団全体の31・2%。教区別に見ると、55・6%を筆頭に9教区で著しい」として、教区名を列挙し、「信徒の高齢化は、伝道と教会形成に大きな影響を及ぼす」としている。

 報告は更に、「過去10年間で教団の現住陪餐会員は約1万2千人減、礼拝出席6千人減、経常収入17億円減。1年の平均受洗者数1369名は、それ以前10年間の平均1871名に比べ502名減」と警鐘を鳴らす数字が続いている。佐々木委員長は、「現状を詳しく見ると、危機意識を持たざるを得ない。将来に向けて、グランドデザインを描くことが必要で、このまま推移すると、現在の教師の10〜15%が困難な状況に陥る」と述べた。

 この中間報告に対し、様々な意見、質問が相次いだ。「方策ばかり出ているが、新たな教会論を模索しているのか」(宮本義弘常議員)。佐々木委員長は「委員会はそこを目指してはいない。一つでも事を前に進めるための構想である」と答えた。

 「外国の教会とどう連携するのかという視点がない。世界中の他教団とどう関わるのか」(秋山徹関東教区議長)。

 「確かに、20名以下の教会が半数だが、『小さな町にも教団の教会があり、群れがある』ことを恵みととらえている。苦闘している教区に、新たに変われというのは乱暴だ」(小西望東北教区議長)。これに対し、佐々木委員長は「数字は突き付けられている現実。教団全体で捉らえることは重要」と答えた。

 「使命を強調しながら、教勢を最重要視している。使命は教勢を超えたものではないのか」(小畑太作西中国議長)。

 「将来構想委員会だから、いろいろな構想があってもいいが、将来がないという展望は、委員会の名にそぐわないのではないか」(長山信夫常議員)。

 審議は、夕食後も続開して、1日目議事の大半の時間を費やす長時間の論議となったが、その一つの理由が、佐々木委員長の報告終了を待ち兼ねたように手を挙げた松井睦宣教研究所委員長の「昨年12月、委員会5人全員が、石橋秀雄議長の反対を押し切って、沖縄を訪問したのは何故か」という質問だった。

 佐々木委員長は「委員会として訪問した訳ではない」と答えたが、議場が納得せず、委員の一人、岡本知之常議員は「教団にとって沖縄教区との関係は重要なので、沖縄を訪問したいとかねてから思っていた」と述べ、石橋議長は「委員全員が行くのは影響が大きいので反対と言った」と説明した。発言の応酬の中で、委員5人全員が沖縄を訪問し、牧師数人と懇談したが、公費支出の委員会出張ではなく、私費旅行であることを了承して、長時間に及んだ将来構想検討委員会報告は、挙手多数で承認された。(永井清陽報)

 

総幹事選考、従来通りの手続きにて
 2日目、議事日程の最後に挙げられたのは「総幹事選考委員会設置」(提案者・北紀吉常議員)だった。次期総幹事選考のため常議員会のもとに委員会設置を求める提案であった。

 石橋議長は、議案上程前に議案の取扱いについて諮った。「教規50条②の規定を尊重して、慣例どおり現議長による推薦、常議員会承認、教団総会にて選任決定することを先議してもらいたい」と述べた。

 提案に対し「関連議案として設置案も上程して議論すべき」「議事日程どおり取扱うべき」と取扱いに反対する意見、「慣例がだめならば新しい提案をすべき。両案は横並びではない」とする賛成意見が述べられ、また既に両案について実質的に内容審議となる意見なども述べられた。

 雲然書記は議論を整理して「議事日程に載せられることで議案となるが上程は議長の権限に属する。議長提案の取扱いについてまず賛否を諮ってもらいたい」と述べ、挙手による採決となった。議長提案について諮ることが30名中16名の賛成で先議と決まった。

 議長案に対して北常議員は「選考委員会には信徒委員も加わっており広い意見を集め、選考の透明性が確保できる。厳しい時代のため最善の人選が可能となる。委員数が偶数なのは全会一致による選考を考えてのことである」と慣例による選考に反対した。「知恵を集め相談し人選することが次期議長、教団のためになる」(藤掛順一常議員)、「議長推薦には常議員会で意見を述べることができる」(岡田義信常議員)、「慣例に賛成するが規則との整合性を重んじてもらいたい」(長山信夫常議員)、「慣例を新しく変えることのリスクがある」(高橋和人常議員)等の意見が述べられた。

 無記名投票による採決となり、議長は採決に加わらず、29名中賛成18票、反対10票、白票1票で、慣例どおり議長による推薦が常議員会に諮られることとなった。

 また、西中国教区提案「軍事基地撤去取り組み推進」には45分ほど審議時間を割き意見が交わされたが、賛成1名で否決された。同じく西中国教区提案「『合同のとらえ直しと実質化』特設委員会設置」は賛成無く否決された。(新報編集部報)

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