古谷道子さんは生まれも育ちも須崎で、結婚してからも須崎に住んでこられた須崎人。家も教会のほぼ向かいにある。ちなみに実家はおいしい干物屋とのこと。
教会学校の小学科がきっかけで教会に通い始めたが、「教会はいい人が行くイメージ」があってしばらく遠のいた時期もあった。30代の頃、「自分は何で生まれたのだろう」その意味を知りたいという思いを抱き、答えを求めていた。ある特伝でペトロの裏切りの話を聞き、人間本来の罪の姿を知らされ、「自分でも(教会に)来られる」という思いになった。ノンクリスチャンの夫の勧めで子どもを須崎教会附属の幼稚園に入園させたのを機会に、教会に戻ってきた。以来、教会では二番目くらいの古株になった。
須崎教会の歴代牧師、また夏期伝道実習で訪れる神学生は、古谷さんの家庭で育てられたという。家が近いこともあり、胃袋はもちろんのこと、夫妻との会話や日常生活の中で成長させられるそうだ。牧師を育てる信徒として、優しさだけでなく、時には厳しいことも言う。
古谷さんをはじめ、須崎教会の信徒は何が一番大切なのかを分かっているという。それは、礼拝が全てであるということ。だから、ここで礼拝を続けることが伝道だと考える。そして何事も聖書から聞こうとするので牧師も安心できるということだ。どんなに困難な状況でもそれがブレない。
高知県は人口流出率が全国的にも高い。特に須崎市はその傾向が顕著だ。地域や教会の周りの環境について考えれば明るい要素は無いけれども、悲壮感は全くない。開き直りではなく、御言葉にこそ力がある確信があるからだ。この確信があるからこそ「行け行けどんどん!」と進める。厳しい中でも教会は必要とされる限り立ち続けるのだから大丈夫。必要なものは備えられる、と神を信頼して歩み続ける。
須崎教会員。