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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4829号】2015年秋季教師検定試験 補教師19名、正教師61名、転入2名受験

2015年10月24日

聴く者の心を打つ、教会の現状の見える説教を
 9月15日から17日にかけて、大阪クリスチャンセンターを会場に、秋季教師検定試験が行われた。今回の受験者数は、補教師試験19名、正教師試験61名、転入試験2名、計82名であった。今回も多くの受験者(献身者)が与えられたことを感謝したい。

 試験全体の印象は次の通り。まず、提出試験の釈義と説教であるが、誠実に取り組んだものも見られたが、全体的に力不足、研鑽不足であると言わざるを得なかった。ヘブライ語は困難にしても、ギリシア語原典を読んでいないと思われる釈義も多く見られた。中には、釈義と黙想の区別がついていない者もあり残念であった。また説教というよりも、聖書の解説、説明に終始し、福音の力強さが感じられない説教も少なくなかった。加えて、受験要綱には、教会での礼拝を想定して、と指示して提出を求めているが、説教から会衆が見えてこない説教も多かった。教会と会衆を愛する者としての説教であったかどうか考えさせられた。釈義、黙想、説教は、牧師として最も重要な務めの一つである。この業に対する誠実さを大切にしていただきたいと願うばかりである。

 筆記試験の印象は次の通り。全体として、補教師、正教師ともに、よく準備して臨んだ者と、そうでない者との差が大きく出た結果となった。教科ごとにも準備の差があらわれており、面接時に自覚して話す者も少なくなかった。

 科目ごとに言えば、「教憲教規および諸規則・宗教法人法」の試験は、出題の意図を読み違えている解答が多く目立った。今回は特に根本的なことを問うたが、明確に意図をつかんで答えている解答が少なかった。旧約聖書神学は、全体的に旧約聖書を読み込んでいない印象を受けた。普段から旧約聖書を読んでいない結果と思われる。当たり前のことだが、教師には常日ごろ旧約聖書をしっかりと読むことを心がけていただきたい。新約聖書神学は、出来ている人とそうでない人の差がはっきりと出た。総じて、緒論的定義が分かっていない人が多い印象を受けた。教会史は、正教師への出題が今回は1問だけであったが、正教師に問うにふさわしい問題であったと言える。教師がそれぞれの教会で、教会員や求道者から聞かれると思われる事柄が出題された。実際、三位一体について、聖書学的、組織神学的に答えることも重要であるが、教会史的に答えることも重要だからである。

 現在、試験の結果で判定が保留となった者たちの再レポートの提出と採点が行われている。最終結果はそれを経てからとなり、10月19日から開催される常議員会に報告され、確定されることになる。

 最近の教師検定試験の傾向として、補教師も正教師も、会社などの引退後の受験者が多くなってきている。このような形で献身者が与えられることは、神さまの恵みであると言える。とは言え、ある程度年齢が重なると、全てを同じように準備することが難しいケースも当然出てくる。また、提出試験の量は多く、筆記試験の科目も高齢の受験者には、体力的に負担も大きいと思われる。その結果、準備不足で不合格になってしまうケースも少なくなかった。

 今回の面接試験は、個別面接時に最初に問う文言と答えに含めて欲しい単語を全体会で提示し、自身の言葉で答えるよう促した。結果、作文的な答えもあったが、それぞれの言葉を聞くことができ、面接を試験として行う意義を感じることができた。春の試験でも同様の方法を検討している。Cコースガイダンス・面接では召命観を確かめつつ、実際の学びの方法などについても話し合った。Cコース受験者の学びと研鑽の問題は今後の課題となるであろう。

 Cコース認定面接には3名の希望者があった。それぞれに召命を問いつつ、教団の教師として立つことの意味を確認できた面接となった。(服部 修報)

 

2015年秋季・正教師検定試験問題
教憲教規および諸規則・宗教法人法(60分)
 次の2題に答えてください。
1.『教憲教規および諸規則』は「日本基督教団信仰告白」から始まっていますが、その意味を「公同教会」の理解に基づいて論じてください。
2.「宗教法人法」の理念を、当該条項をあげて述べてください。

旧約聖書神学(60分)
 次の2題に答えてください。
1.旧約聖書におけるとりなしについて、いくつかのテキストを挙げつつ、論じてください。
2.次の2題のうちから1題を選び、旧約聖書のいくつかのテキストを挙げつつ、論じてください。
①祝福と呪い
②選びと伝道

新約聖書神学(60分)
 次の2題に答えてください。
1.パウロ書簡における創造の理解について、いくつかのテキストを挙げつつ、述べてください。
2.次の2題の内から1題を選んで、答えてください。
①ルカによる福音書と使徒言行録における歴史理解について、述べてください。
②ヨハネによる福音書におけるキリスト論について、述べてください。

教会史(60分)
 次の1題に答えてください。
・古代から現代にいたる教会史上における「三位一体論」の論争の諸要点を、人名や事項の固有名詞を付しつつ、述べてください。

 

講 評
 秋季試験は、正教師を目指す方が大半を占めます。2年以上、伝道牧会に従事し、神の御前で改めて自身の召命を問い、献身の思いを新たにする。正教師試験にはそのような側面が強くあります。今回は、特に面接試験において、召命と献身の志を問い、表明していただきました。主がその思いを全うしてくださることを祈るばかりです。

 筆記試験は、教師として必要な知識、また根本的なことを問わせていただきました。しかし、複数の科目で合格点に達しなかった方たちがいました。残念なことです。

 提出試験の説教についても、全体的に力不足が否めませんでした。聴く者の心を打つメッセージに欠き、また教会の現状が見えてこない説教が大半でした。御言に誠実に向き合い、主の御体である教会を愛し、もっと力強く福音が語られることを願ってやみません。
39総会期教師検定委員長
鷹澤 匠

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