6月25日~26日、済州中文教会(韓国・西帰浦市)を会場に、「日韓連合異端似而非対策セミナー」が開催された。統一協会問題への共同の取り組みを目指すために始まったこのセミナーは、今年で13回目となる。日本からは15名が参加、全体で50名以上の集会となった。
開会礼拝をささげた後、まず韓国から、チェ・ユンベ教授(長老会神学大学)が、「改革神学の観点から見た新使徒運動と霊性」と題して講演を行った。韓国の教会で、新使徒運動が大きな問題となっており、その問題点が指摘された。
講演によると、この運動は使徒職、預言者職の回復を目指す運動だが、その中での言動が聖書と同等の、もしくはそれ以上の権威を持っているとする。韓国では異端とされているが、その熱心な活動ぶりを評価する声が教会内からもあるという。
日本からは、藤枝宗浩宣教師(基督教大韓メソジスト会)より「新天地イエス教証しの幕屋聖殿による日本の被害状況」と題して、日本での新天地の布教状況と被害状況が報告された。
新天地は1984年にイ・マンヒによって創設された黙示録解説を中心とした教義のグループである。「乗っ取り型」と呼ばれ、既成の教会に信者を送り込み、数年をかけて信頼を得た後、牧師や役員を追い出して新天地の教会にしてしまう。韓国では現在、信者数が15万人を超えるという。
日本では1994年秋に宣教活動を始めているが、新天地への警告がなされ始めたのは2010年前後からであり、統一協会と違って裁判の争点となるような社会問題になっていないこともあって、認知度が低い。しかし200名を超える「収穫の働き人」が活動していると言われ、実際に各教団、各教会への侵入が繰り返されている。
聖書勉強会や無牧の教会への牧師招聘、偽装教会へ呼び込むといった例も明らかになっている。
最後に日本より韓国の教会へ統一協会問題への理解、協力を求めた。特に、合同結婚式を経て韓国へ渡り、経済的、精神的に被害を負う日本人妻へのサポートの重要性を訴えた。(与那城初穂報)