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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4819・20号】福島教会献堂式 ここに子どもがいます

2015年4月25日

 東日本大震災で被災した福島教会の新会堂献堂式が3月21日、県内外から143人が出席して行われた。

 鍾楼の「作新人の鐘」を鳴らして献堂式は始まり、「ここに子どもがいます」と題した説教で、似田兼司牧師は、「大震災の年の末に着任した時、福島市には子どもの顔が見えず、声が聞こえなかった。日曜学校も1年間休校せざるを得なかった。翌年再開したが、生徒は会員の孫1人だった。ようやく、市内に多くの子どもを見かけるようになり、『ここに子どもがいます』という聖書の御言葉(ヨハネ6・1〜15)を思い出した。取り壊した時、近隣の人は『もう教会は終わりだ』と思ったそうだが、神がこの新会堂を与えて下さった」と語った。

 福島教会は、1886年創立、129年目を迎える由緒ある教会で、旧会堂は1909年、来日3年目のヴォーリズが日本で最初に設計した教会建築。2001年、国の登録有形文化財に指定されていた。大震災で煙突が崩落し、鍾楼が傾き、会堂に傾斜と亀裂が生じたことから、県・市から「立ち入り禁止」勧告が出て、同月、会堂は取り壊された。

 感謝会で、雲然俊美教団書記は、「震災後、福島教会の祈祷会に出席した時、『祈りの家を建てさせて下さい』という女性信徒の祈りに胸が熱くなった。会員の労苦と祈りを神が見守って下さった」と語った。

 小西望・東北教区議長は、「東北教区86教会のうち、7割の教会が何らかの被害を受け、19教会が再建・補修を余儀なくされた。大震災から4年、もう4年という思いと、まだ4年という思いがある」と被災教区の心情を吐露した。

 献堂式開始の合図となった作新人の鐘は、1914年、米国の教会からの献金で造られ、旧会堂のシンボルとなって来た。第2次大戦中、供出させられたが、溶かされることなく終戦を迎え、米軍の戦利品として米国に送られた。米国で教会の鐘であることが判明し、46年11月に教会に送り戻されたという経緯がある。会堂が新たになった今、電動式となったが、鐘は、ヴォーリズ設計の旧会堂から受け継がれた。

 新会堂は、木造平屋建251㎡。震災2年後の13年4月の教会総会で再建が承認され、昨年7月、工事を開始、12月竣工し、クリスマス・イブから使用していた。ヴォーリズ設計事務所設計の礼拝堂は、左右の窓と天井から光が差し込み、鐘楼に旧会堂の趣を残している。

 総工費1億2673万円、教団支援金5千万円、教区支援金500万円、教団借入金2千万円と内外からの献金でまかなった。(永井清陽報)

教団新報
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