【4819・20号】東日本大震災救援募金 2011.7〜2015.3

全教団的な被災支援取り組み 石橋秀雄

全教団的に取り組んだ結果
 2011年3月13日から4日間の被災地訪問で、津波の凄まじい破壊の地に立ち、祈る中で「わたしたちの助けは、天地を造られた主の御名にある」(詩編124編8節)と示され、帰宅後、ただちに議長声明を書いたが、その冒頭にこの御言葉を掲げた。この御言葉は、バビロン捕囚の苦難の中から生ける主に出会い、断固たる告白に導かれたように、東日本大震災被災支援という重大な課題に取り組む中で、この断固たる告白に導かれることを願ってのことだった。

 また震災直後に、「11246祈り時を」と全国の教会に訴えた。重大な課題にまず祈ることから始めたいと願ったからだ。
毎月11日2時46分に祈り合い、この祈りをもって「全教団的に取り組む」ことを訴え、宣教協力学校協議会、日本社会事業同盟の協力を得て、被災者、被災教会支援に取り組んできた。

海外募金
 世界の教会からも祈りと献金が寄せられ励まされた。世界の教会から3億8770万円の献金が与えられた。この献金と国内募金を合わせて被災者支援を行っているが、3ヶ所の被災者支援センターを設置し、スタッフの献身的奉仕の中で地域の被災者に信頼される活動をし続けることが出来た。

 原発事故についても、こひつじキャンプなど保養プログラムを中心に実施してきた。昨年3月開催の「東日本大震災国際会議」は教団史上初の国際会議であったが、海外からの参加者から好評を得、同会議で採択された声明は、海外の教会から注目され高い評価を得た。被災者支援は2017年まで継続される。

国内募金(2015年  3月31日で終了)
 被災教区の被害教会・伝道所の報告を受け、復興に必要な額を10億円と見込み、被災者支援を含め「5年で10億」との目標を掲げて献金運動をしてきた。当初途方もない目標に思え、その達成が不可能と思える状況の中で、主の憐れみを受け10億731万円(3月31日)の献金が与えられた。3月末で募金が終了したが、10億を超える献金が与えられ励まされている。

 津波と地震による教会の被害とその復興には、多額の資金が求められる。伝道の拠点としての教会の復興は教団の悲願であった。主の御身体なる教会の痛みは教団全体の痛みであり、その復興に深い祈りと献金が注がれた。「一つの部分が苦しめば、すべての部分が苦しみ」(一コリント12章26節)、4教会を残して、全面建替、大規模修繕などを完了し、未着工の教会も必要とされる資金は与えられている。

 教団、「その主の御身体なる教会」の痛みを共に痛み祈る中で、教会堂・牧師館の復興を成し遂げることが出来た。この取り組みの中で「信仰の一致と教会の一致における伝道協力を」との教団の課題も鮮明にされた。

 教団諸教会・伝道所の熱い祈りと、献金にご協力を頂いたことを心から感謝します。(教団救援対策本部長)

 

救援経験の積み重ねにより迅速に対応 長崎哲夫

 2011年3月11日金曜日午後2時46分、奥羽・東北・関東・東京の太平洋沿 岸一帯を襲ったマグニチュード9の大揺れは、大津波ばかりか東京電力福島第一原子力発電所事故を引き起こした。これによって、目に見えず、音にならず、匂いを嗅がせぬ放射能が四方に拡散して、特に福島県等一帯の海・山・森・田畑・町の全域に及び、深刻な事態を引き起こした。

 教団にとっても、それまで関わった兵庫県南部大地震(95・1・17)、新潟県中越地震(04・10・23)、能登半島地震(07・3・25)、新潟県中越沖地震(07・7・16)を経て、重く深い衝撃としてこれを受けとめた。しかし、教団はそれらへの救援活動の経験の積み重ねもあって、実に迅速な対応を実施した。大震災は我らの教会に何を問うたのか。その意味に真向うことを教えた。

 先ず、被災の翌日3月12日には、第37回総会期第1回常議委員会が定めた「救援対策基金」に関する運用規定に沿って総幹事のもと災害対応担当幹事が書記となり、教団社会委員長ほか教団幹事3名、計6名で構成した「救援対策委員会」を立ち上げた。

 ここでは、①石橋秀雄議長をリーダーとする現地被災状況調査チームを直ちに派遣する。②3月14日付で教団内全教会宛「東日本大震災緊急救援募金のお願い」を社会委員長名で全教会に向けて発信する。③教団の被災教会状況は、新報・信徒の友・ホームページで迅速かつ正確に知らせる。④「救援対策基金」より被災3教区へ各1千万円を送金するとして実行した。その上で、3月22日に開催された常任常議員会は、教団救援対策本部(本部長は議長)を立ち上げると共に、それらを承認した。

 これに基づき第1回本部会議は、4月4日開催、委員構成を教団三役・5常議員・日本キリスト教社会事業同盟及び宣教学校協議会から各1名の10名とし、世界宣教幹事(加藤誠)を担当幹事として兼任させた。石橋議長は3月23日付で議長声明「東日本大震災、戦後最大の日本の危機に立ち向かって」 を発表した。更に本部は、石橋議長名で4月5日「被災地の教会に、共に熱い祈りを」《全キリスト教会の11246祈りの会の呼びかけ》を新報で全教会に発信し た。

 5月9〜10日開催の第2回本部会議は、教団救援活動の基本方針の主題を 「地域の人々に仕える教会の再建を目指して」(詩編124・8)とし、被災教会の再建と、教会を通しての被災地域への支援を決定した。教団は被災の会堂・牧師館の復旧再建のための国内教会募金目標を10億円とし、これとは別に放射能被害を受けた教会が置かれた地域の人道支援に国外からの支援金12億円を当てることとし、11年7月〜15年3月まで「東日本大震災救援募金」を行なった。当初の「東日本大震災緊急救援募金」は11年6月で終了した。救援活動は17年3月まで実施することを決議した。

 教団の救援活動は、本部会議を軸として本格化して行なった。第一に、西早稲田の日本キリスト教会館1階11号室を救援対策本部事務所として開設。室長を中心に初動の混乱整理、被災教会の情報収集・復興支援活動推進・救援募金対策を進めた。第二に、各地の要請に基づき、エマオ仙台・石巻とハートフル遠野(14年度から釜石)に救援センターを設置し、各センターには担当幹事補佐役としての専従者をおいて果敢な活動を展開した。第三は、11年8月29〜30日、銀座教会で東日本大震災・原発事故を信仰者としてどう受け止め、語るべきかを問う教団主催のシンポジウム「現代日本の危機とキリスト教-東日本大震災をとおして問われたこと」を主題に、キリスト教学校・同社会福祉・教会と牧師の立場からの発題及び特別講演を受けた。

 12年3月27日、石橋議長は、「福島第一原子力発電所事故に関する議長声明」を発表して、原発稼働停止と廃炉処置を求める祈りを教会に求めた。

 13年3月11日議長は、「福島第一原子力発電所事故3年目を迎えるに際しての議長声明」を出し、人の命より経済優先の社会ではなく、世界に創造の秩序の回復を求めた。この年13年11月1日、東北教区放射能問題支援対策室「いずみ」の開所式が東北教区センターで行なわれ、小西望東北教区議長はイザヤ書12章から、「あなたたちは喜びのうちに救いの泉を汲む」を説教し、働きの方向性と決意を述べた。

 14年3月11〜14日、教団は東北学院を会場にして東日本大震災国際会議を「原子力安全神話に抗して-フクシマからの問いかけ」を主題として国の内外から250名の参加者を集めて開催した。この中で近藤勝彦氏が、講演「エネルギー転換のカイロス」で、原発の核廃棄物処理に触れ、「信仰と神学の観点から見ても、将来の人類の英知を強調しそれをもって現在の難題に対する打開策とすることは、現在と将来に対する現在の人間の『責任回避』であり『怠惰』である」としたことが注目された。

 また、14年6月9〜11日には、若松栄町教会で第4回部落解放センター全国活動者会議が開かれ、「『原発』という差別-フクシマの声に聴く」をテーマとしてのシンポジウムに、約230名もの参加者があったことも銘記したい。

 教団の多くの教会と信徒が心を寄せた全国募金を終了する今日、教団救援活動は一つの節目を迎える。(教団総幹事)

 

震災5年目を迎え、なお支援を継続 飯島 信

会堂・牧師館復興・再建支援 
(資金は国内募金)

 3・11によって被災し、負担金減免措置を受けた教会数は81、その内訳は、奥羽教区10教会、東北教区43教会、関東教区27教会、東京教区1教会である。

 15年2月28日現在、教団からの支援を受けた教会は29教会、これから支援を受ける予定の教会は4教会、合わせて33教会が支援対象となっている。

 すでに4億4614万8429円が執行され、さらに約1億5千万円の支出が見込まれる。支援と共に貸付を受けた教会は20教会あり、その他に貸付だけの幼稚園が2園、施設が1施設で、貸付総額は2億5550万5500円である。資金は会堂共済組合から借り入れ、今後4教会でさらに約1億円の貸付が予定されている。

エマオ仙台・石巻
(活動資金は国内募金と海外のUMCOR、EMS、RCA)

 11年3月11日から時を置かず、東北教区に被災者支援センターエマオが立ち上げられた。この活動には、全国から学生・青年を中心としたボランティアが集まり、支援物資の配布、津波に襲われた家の床下の泥のかき出し、廃材の処理などを行なった。13年度以降は、エマオ仙台では畑の復興、種まきや収穫の手伝い、石巻では牡蠣の種付けや昆布のメカブ取りの手伝いなどが行なわれている。ボランティア登録者数は6669名(1・31現在)に達した。

 活動の中心は、仮設住宅で被災者に交わりの場を提供する「お茶っこサロン」に移りつつある。心身ともに疲れを覚えている方々に寄り添うことは、仮設がある限り大切な働きとなる。

ハートフル遠野・釜石
(活動資金は国内募金と海外のEMS、UMCOR、mission21)

 12年2月、ハートフル遠野は、釜石市内4ヶ所の仮設住宅で「お茶っこサロン」を始めた。現在は、ハートフル釜石が12ヶ所の仮設住宅と1ヶ所の復興住宅等で活動を行なっている。「お茶っこサロン」を利用した仮設の方々は、延べ9105名(2・28現在)である。

 震災から4年、手芸を中心とした「お茶っこサロン」に加え、仮設住宅周囲の草取り、落ち葉掃きなどの環境整備、個別訪問が始まっている。

こひつじキャンプ
(活動資金は国内募金と海外のUMCOR、EMS、RCA)

 12年1月、第1回の「こひつじキャンプ」が山中湖で行われた。原発事故による放射能汚染より逃れ、短期間でも保養を求める家族が参加した。13年1月からは台湾基督長老教会からの招待も加わり、YMCAとの共催で16回(内3回は台湾)を開催するに至っている。

 今後、国内外で計6回のキャンプを予定している。定員は各回25名前後、初めての参加者を優先する。

被災地支援演奏会
(活動資金は国内募金とスイスの教会・個人、RCA)

 13年1月、第1回演奏会を石巻で行なったのを皮切りに、これまで6回にわたって行なわれた。訪れた被災地は、石巻、仙台、名取、いわき、釜石、遠野で、演奏場所は教会、スーパー、仮設住宅、幼稚園、保育園、個人宅など多彩である。

 2015年度、春夏秋冬4回にわたる演奏旅行を企画している。

 各プロジェクトは、祈りによって始まり、祈りによって終わる。祈りに導かれてこそ神様から力を得、託されている働きを担うことが出来るからである。

 また、教団が展開する被災地支援活動は、UMCOR(アメリカ合同メソジスト教会海外災害支援部)、EMS(ドイツを中心とした福音連帯宣教会)、PCT(台湾基督長老教会)を中心に、mission21(スイス)、RCA(アメリカ改革派教会)によって支えられている。これらの団体や個人などの支援が無ければ、私たちは今日のような活動を生み出すことは出来なかった。そのことを思うと、海外からの支援への感謝の思いは尽きることがない。(救援対策本部幹事)

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