廣中佳実さんは、宇都宮市で生まれ、高校まで宇都宮で過ごした。西東京教区・東京台湾教会会員の両親は、「一番早く教会に来て、一番遅く帰る」一家として、教会で知らない人はいない。
佳実さんは0歳の時から、両親に連れられて、東京・南荻窪の教会に通い、「朝7時半に家を出て、夜10時に帰る」という日曜日を過ごした。
東京台湾教会は、今年創立90周年を迎える歴史ある教会で、留学生が多数派を占めている。台湾教会の数は限られているので、栃木県から通う廣中一家や茨城県から通う人もいる。台湾で生まれ、30数年前、来日した佳実さんの両親は、日本に帰化する道を選び、双方の姓を勘案して廣中姓を創出した。
国際基督教大学(ICU)に進んだ佳実さんは、中国語(北京語)、台湾語、英語を使いこなす様になってから、いろいろな所で用いられるようになり、昨年3月、仙台での東日本大震災国際会議では、中国語通訳として活躍した。
両親の母国・台湾には、高校生の時、教団の台湾プログラムに参加して訪れ、大学生となって、交換留学で1年間、台湾の大学でも学んだ。日本と台湾の教会の空気の違いも肌で感じるようになった。「台湾の教会では、個人の生活に踏み込んでいろいろと聞いてくるが、日本の教会は、個人の生活に余り立ち入らず、一線を画したクールさがある」そうだ。
ICU卒業後、台湾の貿易会社に2年間勤めていたが、本年1月、教団職員になり、世界宣教担当となった。海外の日本人教会などへ教団が派遣している二十数人の牧師・宣教師の世話をしながら、中国・台湾・英語の通訳の役割も増えて来た。
貿易会社から教団に勤務先を変えて最も驚いたことは、「これまでの職場は、時間と量に重点を置いていたが、今の職場は、全員が心も体も、フル回転させていること」とか。
栃木県宇都宮市生まれ。東京台湾教会員。教団世界宣教担当。