【4814号】寒さの中から

 今冬は、ことのほか寒いと言われた。東京の気温は、昨秋、天気の定点観測をビルの谷間の気象庁から皇居の堀内に移したことで、以前よりは2、3度低い発表である。だが、この寒さが加わるほど冬晴れの空の青は深まるが、それに比例して雪深い日本海側地域や今だ放射能残土そのままの被災地の荒野の厳しさを思う。

 少年時代、信州・上田まで信越線のD51で汽車通学をした。朝7時、家を出ると辺り一面が木花(樹氷のことで「きばな」と言った)。明け方の零下10数度に空気中の水分が木の枝に凍りつき、雪とは違う白の世界。そこを教科書の鞄を抱いて駅へ急ぐ。それは、日曜日も同様、今度は聖書と賛美歌を手に町の坂の上にあった教会へ直行。その頃は、あの辺りも雪多く、たまに吹き溜まりでもあれば、道なのか川なのかの区別もつかなくなる。その道行は格闘ごときものと化し、たいした防寒具もない上着に雪が張りついた。それは修行僧にも似て、時代の寒さや貧しさが誰にも共通していたにも拘わらず、求道の思いだけは熱く、溌剌としてあった。

 渋谷の教会に在任した或る年初、「冬寒し礼拝堂の明かりとり」を詠んだ。誰も居ぬ凍てつく会堂で見上げる方の深みを感じた。キリスト信仰の霊性は、世の豊かさや安全からは発しない。己が卑しさ、低さ、慙愧と孤独な葛藤の上に戴くものだ。まして、それを踏み台とした功名心などとは縁遠い。

 やがて春が近づけば、あの裏庭の築山の氷雪にすとんと穴が空き、柔らかな土が現れ、福寿草が芽を出すのは、この上なき神の恵みだと思った。(教団総幹事 長崎哲夫)

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