【4811・12号】♦部落解放センター/ドイツ訪問報告♦ シンティ・ロマ差別について研修

 ドイツには6百年ほど前からシンティ・ロマという、インドにルーツを持つ人々が住んでいます。一般に「ジプシー」(ドイツでは「ツェゴイナ」)という蔑称で呼ばれ差別を受けてきました。

 ある街では、百年程前にシンティ・ロマとドイツ人では神の宣教も違う、と市民議会で決議し、川を隔てた狭い土地にシンティ・ロマの人々を押し込めました。現在でもシンティ・ロマの人々はその村に住まわされています。この出来事は、人は差別のためなら神様をも利用するということを教えています。私たちはこの事実を真摯に受け止め、自らを省みければなりません。

 大手新聞社による数年前の意識調査に、ドイツの4割の人が自分の家の隣にシンティ・ロマは住んで欲しくないと答えるなど、今でも差別意識は根強く残っています。結婚差別や就職差別があることは言うまでもありません。昨年も、交通事故の被害者がシンティ・ロマであったことを見るや、警察が対応をなおざりにするといったあからさまな差別が起こっています。ナチス政権下においても、ユダヤ人より早くから過酷な強制労働につかされていたにも関わらず、現在ある差別意識のゆえに補償が進んでいません。

 ドイツのキリスト教界も、シンティ・ロマを差別から解放することには消極的でした。近年になって風向きは変わりつつあるものの、人的にも財政的にも解放の取り組みは全く十分ではありません。日本のキリスト教界に於ける部落解放の取り組みもそうですが、差別がないから取り組まないのではなく、差別しているから取り組まないのです。

 日本基督教団部落解放センターは、そのような差別の現状を知り、連帯して解放の取り組みを推し進めるため、連帯福音宣教会を通して10日間のドイツ研修に3名を派遣しました。弱い部分が互いに結びつき、一つとなって神様のからだを形づくる。そのような神の国のためにこれからも解放の取り組み続けていきます。

 皆さんも共に、主よ御国を来らせてくださいと祈ってくださいますように。(岡本拓也報/部落解放センター活動委員長)

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