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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4806号】教会中高生・青年大会2014 イエス・キリストの名によって立ち上がり歩きなさい

2014年9月27日

教団主催による半世紀ぶりの開催

 8月19日~21日の日程で、YMCAの施設である御殿場の国際青少年研修センター東山荘を会場にして「教会中高生・青年大会2014」が開催された。大会の主催は日本基督教団であり、特に、伝道委員会ならびに伝道推進室と、教育委員会の委員を中心として実行委員会が組織され、約2年前より準備が進められた大会である。教団は、2000年に開催された第32回教団総会において「日本基督教団は21世紀に向けて青年伝道の使命に力を注ぐ件」を可決したが、その実質化としての大会でもある。

 大会の主題は「イエス・キリストの名によって立ち上がり歩きなさい」とされ、大会中のすべての礼拝(開会、早天、派遣)においてこの使徒言行録3章6節の御言葉が解き明かされた。

 集められた参加者の総数は、ユースミッション関係のアメリカ、ドイツ、台湾、そして韓国からの参加者も含め、北は北海道、南は沖縄の全教区153教会から367名。内訳は、中学生45名、高校生49名、青年154名、引率30名、スタッフ89名であった。

 それぞれ年代別に立てられた講師は3名。青年の講演を東京神学大学・芳賀力学長が、高校生の講演を金城学院大学・深井智朗教授が、中学生の講演を青山学院大学・塩谷直也准教授がそれぞれ担当した。

 開会礼拝の説教は大会実行委員長の増田将平牧師(青山)。自らが「イエス・キリストの名によって立ち上がらされ歩き出した者である」とし、「大会においてこのことを皆で体験しよう」と語った。プログラムは中学生、高校生、青年と別れて行われるため、参加者が一堂に会する機会は礼拝しかないのだが、350人以上の規模で捧げられる礼拝は、とにかく数の多さに圧倒されたという声が数多く聞かれるものであった。

 大会のプログラムの中心は、それぞれ2回の講演と3~4回行われる分団である。講演で聞いた事柄、感じた事柄を少人数の分団で共有し、深めていく。信仰の語り合いを通して、慣れない者同士の距離が縮まっていく。

 2日目には選択制のプログラムの時間が用意された。野外スポーツ、館内レク、オリエンテーリング、寒沢(さぶさわ)散策、クラフト、映画鑑賞、講師・牧師と語るという7つのプログラムを自由に選び、思い思いの時間を過ごした。

 2日目夜のプログラムは全体参加プログラムとしての「賛美と証のとき」。前半では、賛美を捧げる中で、まるでコンサート会場にいるようだったとの感想が聞かれるような雰囲気を味わい、後半は阿部倫太郎牧師(東和歌山)の証に耳を傾け、テゼ共同体の祈りをモチーフとした祈りの静かなときを過ごした。

 3日目は分団で自分宛の手紙を書いた。1年後に参加者に届けられる予定である。大会の締めくくりは派遣礼拝。高らかに一同で賛美を捧げ、小林克哉牧師(呉平安)によって「すべての参加者よ、日本基督教団よ、日本よ、イエス・キリストの名によって立ち上がり歩きなさい」と説教がされた。

 大会前から、そして大会中も、日本基督教団がこのような大会を開催するのはおよそ半世紀ぶりのことであると強調された。次の開催が半世紀後となることはなさそうである。(小林信人報)

 

大会を終え、さらなる伝道の前進のため

 大会が終わり、書類整理をしていると東山荘で会った若者たちの姿が目に浮かんできた。

 私はほとんどの時間を本部の部屋で過ごしていたが、参加者の姿を垣間見ることができた。不安な様子で受付に並ぶ中学生の男子、はしゃぎながら駆けて行く女子高校生たち、心の奥底に悩みを秘めた表情で説教のメモを取る青年。私が以前仕えた教会では可愛い子どもだったのに私に挨拶に来て一緒にスマホで写真を撮った青年がいた。

 こんなこともあった。一日のプログラムが終わり、夜の見回りをしていると3人の男子青年が向こうから歩いて来て声をかけてきた。「時間が過ぎていることは分かっているんですけど、僕たち、もっと話をしたいんです。どこか、話をできる場所はありませんか。そうだ、先生も一緒に話しましょう」。本来は就寝時間なのだが、切羽詰まった様子なので談話コーナーで話を聞くことにした。しばらくすると仲間の牧師がジュースの差し入れを持って輪に入ってきた。恋の相談かと思っていたら、それぞれ自分たちが属する教会の将来について考えていることを熱く語り出した。気分としては疲れていたので早く切り上げたかったが、思い直して彼らが満足するまで付き合おうと覚悟し午前2時過ぎまで話し合った。最後は彼らのためにその教会のために祈って別れた。こういう青年がいることに感心し頼もしく思った。

 ふとかつての自分を思い出す。中高生の頃にキャンプや修養会に参加して多くの仲間たちと出会うことができた。やがて私は牧師になり、教区や分区・支区で青年の担当をした。聖隷事業団、アジア学院を会場にしたワークキャンプで過ごした夏の日々が懐かしい。あの時の若者たちは今頃何をしているのだろうか。

 過日、伝道委員会主催の教区伝道委員長会議で大会のアピールをする機会が与えられた。出席者から「教団で大会を行うことに何の意味があるのか」という問いが出た。毎年各教区で内容豊かなキャンプが開催されている。私は大会に来た参加者が自分の教会、教区のみならず参加した仲間を通して日本各地の教会を知り、互いに祈ることができたらどんなにいいだろうかと思う。大会で日本基督教団を身近に感じ、各地にこれほど多くの信仰の仲間がいることを知って励まされるならばどんなに素晴らしいだろう。さらにこの大会によって教団全体の青年伝道が前進することができればと願っている。

 教団として約半世紀ぶりの青年大会となった。参加者からぜひまたこのような会を開いて欲しいという声を聞く。次回も開催されることになったら、参加者、スタッフの層が広げられ、会の内容がさらに深められていくことが必要だろう。大会が各教区の青年の活動と連動するようになり、若者たちが伝道者のみならず、社会福祉事業、教務教師等様々な場でキリストの証人として立つことができるように励ますことができたらと思う。

 参加した若者たちの心に蒔かれた福音の種が彼らの人生の実りとなるように祈っている。
(増田将平報/教会中高生・青年大会2014実行委員長)

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