【4799号】人ひととき 宮越 光さん 受け手から与え手へ

 母親と共に、自分に信仰を継承してくれた父親はすでに天に召されている。牧師を支え、教会で問題が起こったときにはその問題解決に真正面から向き合った人だった。礼拝の司式の最中突然倒れ、そのまま天に召された。教会に命を捧げる、父親の姿はまさにそれそのものだった。

 中高生時代、同世代の仲間が教会に溢れていた。支区の修養会となると、その数はさらに膨れ上がった。若い自分たちを束ねる一世代上のリーダーの影響は大きく、いつか自分もそのような立場に置かれるのだろうことは容易に想像できた。実際その年齢になってみると、付かず離れずの礼拝生活になるのだが、やはり中高生のリーダーとしての働き場で若い世代と接することは格別の何かがあった。

 一旦は不動産関係の一般企業に就職するのだが、サラリーマン生活への疑問が湧き上がり、一方で、教会と付帯施設である保育園の関係の中で奮闘する父親の姿を見させられ、そのままの生活をすることができなくなった。そして、祈り導かれ、キリスト教保育の世界に飛び込んだ。3代目クリスチャンとして当然の導きだったのかもしれない。

 父親の死後、都合15年、教会の役員の奉仕をしている。保育園での働きもそれなりの年数が過ぎた。しかし、まだ足らないところがあまりにも多い自らの現状を思わされている。

 気が付くと、あれだけたくさんいた同世代の仲間たちはほぼ教会から離れ去ってしまった。同世代の仲間がもう少し教会に残っていれば、属する教会や全体教会の現状ももう少し違っていただろうにと思わないわけでもない。しかし、今与えられている現実の中で、出来得ることは小さくとも、自分なりの献身を教会と施設の中で表したいと願っている。

 継承されたものを継承していくことこそが、自分の献身なのだから。

1972年千葉県出身。社会福祉法人ピスティスの会放課後児童クラブ施設長。松戸教会員。

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