Cコース受験者増加、継続・新規15名に
2月25日から27日にかけて、日本キリスト教会館を会場に、春季教師検定試験が行われた。
今回の検定試験の受験者数は、補教師58名、正教師12名、転入1名、計71名であった。そして今回際立っていたのが、教師検定規則第3条(6)に該当する受験者(いわゆる「Cコース」受験者)の多さである。今回から新しく受験する者(いわゆる「CⅠ」受験者)が7名もおり、継続も含めると計15名と、近年にない多さとなった。
そして結果は、補教師、合格29名、不合格5名、保留9名、継続15名(Cコースは、最後のCⅢ科目がすべて合格しない限り、継続となる)。正教師、合格2名、不合格10名であった。
補教師の保留者は、その後、レポートによる再判定が行われた。その結果、全員合格となり、最終的には、補教師、合格38名、不合格5名、継続15名となった。
補教師は、多くの者が合格となったが、不合格者も出た厳しい結果となった。そして正教師は、ほとんどの者が再受験であったが、合格者2名と厳しい結果となった。
試験の内容を振り返ると次のようなものであった。まず、今回から、補教師の提出試験が、説教2編となった。これまでは、旧約、新約の課題箇所のうち、1つを選んで提出する試験であったが、今回からはどちらも提出することとなった。結果、丁寧な採点が可能となり、受験者に充分な力が備わっているかを判断することができた。
前述した結果の通り、多くの受験者にその力が備わっていると判断できたが、中には、語るべき内容が不充分であったり、説教としてのメッセージがほとんど欠けているものもあった。
また、筆記試験の内容は以下の通りであった。「教憲教規および諸規則・宗教法人法」は、おおむねよくできていた。「旧約聖書神学」、「新約聖書神学」は、よく準備をしてきた者とそうでない者の差がはっきりと出てしまった。正教師の「教会史」は、出題に対して、押さえるべきポイントを外した答案が多く、不充分と判断せざるを得なかった。
また、受験者が多かったCコースであったが、試験の結果は全体的によくなかった。神学校を経ずに一人で学ばなければならない限界があるのかも知れない。
そして面接試験においては、召命について改めて問い、また教団の信仰告白、教憲教規についての理解を問うた。
3日間にわたって行われた春季教師検定試験も、主の守りのうちに無事終えることがゆるされた。(鷹澤 匠報)
講 評
神学校での学びを終えた多数の方々が補教師を目指して受験されました。今回より提出課題の説教が2編(旧約と新約各1編ずつ)となりました。
聖書テキストには宝がぎっしりと詰まっています。それを掘り出す作業はたしかに骨が折れますが、深い喜びに通じている作業です。
そこを理解している人は、慣れない手つきではあっても、一心不乱に掘り出し作業に取り組みます。そして必ず宝を見つけるのです。喜びに溢れながらそれを訥々とでも語り始めます。
理解しない人は作業をきちんとしようとしません。よそ見し、繋がりを欠く無駄話をしはじめます。せっかく手に触れた宝を見ても、それが宝なのかどうか確信が持てません。持て余しているうちに疲れてしまう。
釈義と説教には受験者の情況がそのまま映し出されます。このたび、それが鮮明に出たと感じました。
第38総会期教師検定委員長 渡部和使
2014年春季・補教師検定試験問題
教憲教規および諸規則・宗教法人法(60分)
(A,B,CⅢ)
次の2題に答えてください。
1.「教憲教規および諸規則」に定められた教師とその職務について述べてください。
2.「宗教法人法」制定の歴史を踏まえ、「宗教法人法」が持つ意義について、あなたの考えを述べてください。
旧約聖書神学(60分)(B,CⅢ)
次の2題に答えてください。
1.旧約聖書における「復活」について論じてください。
2.次の3題のうちから2題を選んで答えてください。
①シナイ契約について
②知恵文学について
③北イスラエル王国の預言者について
新約聖書神学(60分)(B,CⅢ)
次の2題に答えてください。
1.ルカによる福音書の歴史理解について述べてください。
2.パウロ書簡における律法理解について、テキストを挙げて述べてください。