【4795号】海外からの報告  原子力問題取り組みを報告

 国際会議3日目、午前11時以降には海外教会の報告が行われた。《午前11時〜、押川記念ホール=連帯福音宣教会、台湾基督長老教会》《午後2時〜、押川記念ホール=大韓イエス教長老会、スイス・プロテスタント教会連盟、第1会議室=合同メソジスト教会、第2会議室=ベルリン宣教会、第3会議室=カナダ合同教会》

ドイツ《連帯福音宣教会EMS》 台湾《台湾基督長老教会》
 連帯福音宣教会からは、ドルテ・ジィーデントプフ医師が、自身が属する核戦争防止国際医師の会ドイツ支部が、チェルノブイリの事故後に行った、核兵器と原子力の廃絶運動を紹介した。主に、事故の影響を強く受けたベラルーシの状況を報告した。事故後、様々な疾病が増えたこと、また、現在でも続けられている支援活動に触れ、「私たちは、後の世代から世界を借りているにすぎず、キリスト者として、世界と生命と自然を保護する責任がある」と告げた。

 台湾基督長老教会からは、環境保全に関する部署でリーダーとして働いている林俊義博士が報告した。今日の世界が、「21世紀型の権威独裁主義」とも言える、強欲資本主義によって支配され、科学、政治、経済のあるべき姿から離れ、倫理が失われていると語った。表面的なものではないシステム全体の変革の必要性を述べた上で、「放射能、貧困、格差といったものが押し寄せて来ている中で、キリスト者は聖書の教えとビジョンに基づいて、何が必要なのかを考えて行かなければならない」と述べた。(嶋田恵悟報)

 

韓国《大韓イエス教長老会》 スイス《スイス・プロテスタント教会連盟》
 大韓イエス教長老会(統合)からは、アン・ホンテク牧師が、韓国のキリスト者たちが始めた、「核の無い世界のための韓国づくり」という運動を紹介した。祈祷会、平和ウォーキング、コンサート、福島の子どもたちの避難キャンプ等の活動の他、日本、韓国が計画している原発の海外輸出を止めるべく、原発建設会社を相手に訴訟を起こしたこと等を報告した。また、現在、韓国において、原発新設を前提に送電線の拡張が行われていることと、建設が進む村の人々の苦しみに触れた上で、「キリスト者としては抑圧されている人たちと共にいるべき」と語った。また、釜山のWCC総会で審議できなかった核なき世界のための声明文が決議されることを願っていると告げた。

 スイス・プロテスタント教会連盟から、オットー・シェーファー牧師が、スイス・プロテスタント教会の取り組みの中から、2008年に発行された『エネルギー倫理』について紹介した。エネルギーを巡る現在の状況を省察し、古いエネルギーの時代は終わりを迎えるとし、石油、天然ガス、化石燃料、原子力といった熱エネルギー産業システムからの転換について触れた。また、「自由」、「持続可能性」、「正義」、「参加」、「平和」という5つの価値基準とその適用のための11のルールを紹介し、証人としての教会の役割には重要な側面があることを告げ、「私たちは物質生活の課題を乗り越えた深みに到達し、生を変える神の聖霊に、人生を委ねなければならない」と結んだ。(嶋田恵悟報)

 

ドイツ《ベルリン宣教会》
 ベルリン宣教会のパトリック・シュナーベル牧師は、メルケル政権が、フクシマ後に展開した原発政策の劇的転換を報告した。

 2001年、シュレーダー政権(社会民主党・緑の党連立)は「原発の段階的全廃」を決定して世界を驚かせたが、05年に登場した東独出身のメルケル首相は、その2期目、09年、「稼働年数の延長」を決め、産業界寄りに右転換していた。そのメルケル首相が、福島原発事故3日後、「延長政策の凍結」を表明し、4カ月後の11年5月、「2022年までの全原発閉鎖」を決定して、またまた世界を驚愕させた。

 「党の仲間をも驚かせたUターン」をメルケル首相が行ったのは、「最新の技術を持つ日本で起きた福島の大惨事は、ポスト・モダン社会のシンボルとなったから」とシュナーベル牧師。目標の2022年まで8年しかない。メルケル政権は、Co2削減の2020年目標を40%(EU目標20%)、風力、地熱の再生可能エネルギーを35%(EU目標20%)としている。

 シュナーベル牧師は、「バチカンは従来核エネルギーの民事使用、原発を容認して来たが、福島後、反核となった。カトリックと福音教会で国民の50%を超えるドイツでは、教会のメッセージが届き易い」と語るが、シュレーダー政権の「将来の段階的削減」に対し、メルケル首相の「8年後の全廃」が容易でないことは認めている。

 「社会の中での教会の位置と影響力がますます問われて行く」とし、「倫理のルールから離れてはいけない」ことを力説した。
(永井清陽報)

 

アメリカ《合同メソジスト教会》
 合同メソジスト教会(UMC)、ジョン・ヒル氏(教会・社会委員会)は「脱原子力の未来へ生きるために」と題し報告した。

 アメリカ教会は、原発のみならず科学技術に対し、どちらかに決めかねている居心地の悪さを抱えている。「教会の公式声明と個々の教職、信徒の行動にギャップがある」。特に原子力エネルギー問題によって科学と宗教の関係が複雑になり科学的合意形成と倫理的見解を明らかにすることの重要性が増している、とした。

 近年の「気候変動危機に訴え原発推進を強調する」傾向に、個人、市場の傲慢を絶えず注意喚起し、互いが関係の中で生きていることを謙虚に認め合うこと、大きな関係の中でエネルギーが産出され、エネルギー選択によってリスクを負う人々がいることを知る必要を語った。

 教会は、統計、科学だけをベースにするのでなく、教会固有のストーリーで議論し、将来に対する恐怖ではなく、聖金曜日、イースターにおける希望を語ることができる。「神においてゲームオーバーはあり得ない」とした。教会は、被造世界の保全ため呼びかけられており、正義、持続可能性を明確にし、新しいあり方を示さなくてはならない。そのようにして言葉と行動を一致させて、目覚めていることが必要であると語った。(新報編集部報)

 

カナダ《カナダ合同教会》
 カナダからの報告は、カナダ合同教会のメアリー・ルー・ハーリー氏によってなされた。日本が直面している核燃料問題に対して、カナダ合同教会の方針について、このプレゼンテーションで分かち合いたいと報告が始められた。

 カナダ合同教会の原子力問題へのアプローチは、地球の一体性への責任、正しい国際秩序、生活スタイルの転換、環境破壊への全人類的責任、未来世代への権利の保護、地球の持続能力への注視、生物多様性の尊重、非暴力、当局および企業の責任追及等の視点に立ってなされているということであった。(小林信人報)

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