【4791号】宣教師からの声 番外編 偉大な宣教師ブリテン先生 永井 輝男 (横浜英和学院理事長)

《米国美普教会の海外宣教》

 横浜英和学院は1880年ブリテン女学校として米国メソジスト・プロテスタント教会によって創立された。この教派は美普(みふ)教会と呼ばれ、1828年に米国メソジスト監督教会から分離独立した小規模な教会であった。教会政治、立法の権限がすべて教職にあるとするメソジスト監督教会のあり方に反対し、教職も信徒も平等で監督や長老を設けずに教会政治を行う教会として成立した。

 小教派である美普教会は独自の海外伝道を行う組織を持っていなかった。しかし、米国婦人一致外国伝道協会に参加し協力していた。その中にE.ガスリーがおり、1868年に米国婦人一致外国伝道協会からインドに派遣されていた。ガスリーの父は改革派長老教会の牧師であったが、彼女は美普教会の会員であった。カルカッタのミッション・ホームでH.G.ブリテンと共に働いていたが気候が合わず体調を崩し帰米することになった。1872年帰国の途中に日本に立ち寄り、横浜のミッション・ホームで混血の子どもたちの世話を1878年まで行い帰国した。

 帰国後、美普教会の総会で活動報告を行ったことから美普教会の婦人外国伝道会が組織された。そして総会で米国婦人一致外国伝道協会に支援するのではなく、美普教会として独自の宣教師を派遣することになった。ガスリーが任命されて日本に派遣されることになった。1880年5月ガスリーは日本に向かう途中、サンフランシスコで肺炎になり急死した。

 美普教会にとっては大きな衝撃であった。ここに登場したのがブリテンであった。彼女は1861年頃から米国婦人一致外国伝道協会のカルカッタのミッション・ホームで働き数年間ガスリーと共に働いた経験があった。ガスリーもブリテンを信頼し、同労者と考えていた。ガスリーの後任者としてブリテンが日本に派遣されることになった。

 

《横浜英和の創始者、 H.G.ブリテン(1822-1897)》

 ブリテンは、1822年イギリスで生まれ、幼いときに両親とアメリカのニューヨークのブルックリンに移住した。不幸なことに10歳頃、3階からの転落事故により身体の自由を失った。18歳頃まで病床にあったが、その後、健康を快復した。しかし足に障害を残した。

 その障害があるにもかかわらず海外伝道を志すようになり、1854年に米国聖公会派遣の宣教師として西アフリカのリベリアに向かったが熱帯の熱病にかかり米国に送還された。これらの悪条件にも屈せず、次に1861年に米国婦人一致外国伝道協会の派遣宣教師としてインドに向かった。インドの婦人たちや子どもたちに裁縫や聖書を教え、約18年間活躍し、女性宣教師の英雄的なパイオニアと称賛された。

 しかし1879年頃米国婦人一致外国伝道協会本部の中心人物であるドリマー夫人と意見が衝突し米国婦人一致外国伝道協会から離別した。帰国後ニューヨークの聖ルカ病院で働き、医療訓練を受け次の宣教活動の準備を行った。57歳の年齢になっていた。

 そこへ1880年米国美普教会からガスリーの召天、その後任の宣教師として横浜に派遣されることになった。

 横浜山手居留地48番館にブリテンの学校が誕生した。小さな木造平屋で開校し、生徒は4名、フェリス・セミナリー出身の原田良子(りょうこ)が最初の通訳兼助手となり、後に米国婦人一致外国伝道協会にいた根津えい子が加わった。建物の所有はJ.H.バラ宣教師であり、原田の起用はバラ宣教師によるものであった。

 ブリテン女学校は着実に成長し1882年に生徒は64名となり、大きな校舎が必要となった。1883年ブリテンは私財を投じて山手居留地120番を購入し寄宿舎を建てた。授業は国語と書き方を除いて英語で行われた。ブリテンは教理問答のドリルと旧約聖書の講話を行った。

 初期のブリテン女学校は男女共学で、男子は3分の1くらいであった。当初は混血の子どもたちも入学していた。有島武郎は1884年9月に7歳で入学し、87年に学習院に転出した。

 1882年、青年宣教師F.C.クライン(1857-1926)が来日し、美普教会宣教団の総監督に指名された。26歳の新参監督の下に60代のブリテン宣教師が置かれた。クラインはブリテンの教育方針、財政運営を批判し、男女共学、混血の子どもたちの存在、それにブリテンの宗教教育は福音的であるが聖公会風の姿勢であると批判した。実はブリテンは生涯聖公会の会員であった。また正式の高等教育や神学教育を受けていなかった。ブリテンはクラインとの折り合いが悪く、1885年に辞任した。

 その後も在日したが1897年健康を害し帰国、米国到着の翌日サンフランシスコのホテルで召天した。横浜英和学院にとっては偉大な宣教師であり創立者であった。
(Kyodan Newsletterより)

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