第五五回九州教区総会は、五月二日から四日の三日間、福岡中部教会を会場に開会時、正議員二五〇名中一六七名が出席して開催された。
東島勇気議長は第五四回教区総会後の各宣教課題と活動を中心に九ページにわたる議長報告を行った。九州教区が抱える問題の深刻さ、課題の豊富さ、取り組みの多彩さが伺われた。
最後に一九九七年五月より四期八年間、教区議長として、多くの方々の支えにより働くことができたことを感謝し、「新しい議長が今総会で選出され、教区の益 々の発展を願う」と挨拶を述べた。
この後、議長選挙が行われ、二回目の投票で西畑望氏(大分)が選出された。
副議長には決選投票で深澤奨氏(佐世保)が選出され、書記は沖田康孝氏(長崎馬町)が選任された。
九州教区宣教基本方策に関する件では、前文及び以下の三項目が提案された。
【共生】…キリストに従う教会として、すべての命を大切にする。
【連帯】…互いの教会の苦悩を覚えあい、祈り、宣教を共に担う。
【平和】…キリストの平和
を追い求める。
前文、基本方策の説明文の字句の追加修正と基本方策の最初に【伝道】を追加する件が提案され、長時間議論の後、基本方策の説明文の字句が修正された後、原案が可決された。
議案では次の三件が可決された。
一、受按者・受允者承認に関する件
議場での審議・承認後、一名の按手礼式、五名の准允式が執行された。
二、九州教区と韓国基督教長老会群山老会との宣教協約継続に関する件
三、特設委員会設置に関する件
現在設置されている下記の二特設委員会を、継続設置する。
①「原理運動=統一協会」問題特設委員会
②セクシュアル・ハラスメント対策特設委員会
二日夜、議員研修会が持たれた。邑原宗男奥羽教区議長が「奥羽教区における東北地方特別開拓伝道」について講演し、困難な伝道の歩みを共有した。
三日午前、来賓の方々から挨拶を受けたが教団問安使挨拶では、山北宣久議長の教区総会への挨拶を中心にして、厳しい意見が相次ぎ、教団への意見要望が多く出された。
最終日に、建議が二件提出された。
一、「新しい歴史教科書を作る会」が提案し、編集・執筆を主導した『改訂版 新 しい歴史教科書』『新訂版新しい公民教科書』(共に扶桑社刊)を採択しないよう、九州各県市町村の教育委員会に要望書を提出する件は可決された。
二、九州教区総会における開会礼拝の式順の中に、「第二次大戦下における日本基督教団の責任についての告白」を入れないことを求める件については、賛否両論 に別れ、時間をかけて議論されたが、決議には反対する意見が出され、常置委員 会付託の動議が賛成多数で採択された。
常置委員
【教職】東島勇気(門司大里)、布田秀治(鹿児島)、梅崎浩二(犀川)、入江清弘(香椎)、戸田奈都子(田川)
【信徒】川畑馨(佐世保)、伊津見七生子(若松浜ノ町)、松山萠子(八代)、今村泰子(平和・人権部門)、浅野直人(福岡警固)