六月三○日夜教団会議室で、日本基督教団の牧師が被害者家族と共に統一協会員から訴えられた二つの裁判と浅見定雄東北学院名誉教授の名誉毀損裁判に関わった弁護士たちを招いて、勝訴感謝会が開かれた。
この六年七ヶ月余り支え続けてきた「支える会」の会員たちの他、統一原理問題全国連絡会に参加した諸教区の代表者たち、被害者の家族の会、オウム真理教被害者家族の会の代表者等六〇名を超える人々が集まった。
教団を代表して山北宣久議長は「長い間、粘り強い困難な闘いを支えて下さった弁護士の皆さんに感謝したい。…しかし終わりは新しい初め、ピリオドでなくカンマとしてこれからもこの問題に取り組んでいきたい」と挨拶。弁護士の一人は「今回の裁判は統一協会員となった子どもたちが救出に関わった牧師たちばかりでなく親、兄弟まで訴えるという大変に厳しいつらい裁判であった。しかしそれまで会うこともできなかった親子が、裁判の中で本気で心の内を訴え合う事が出来た。関係が回復されるまで、これからも時間はかかるだろうが、親たちのこうした思いや行動を裁判所が違法なものでないときっぱりと認定した意義は大きい。判決後の被害者家族の晴々とした顔を見てホッとした」と裁判を振り返った。
被告とされた両親は「娘が三人とも入教していたと聞かされて以来涙の毎日であった。教団の牧師さんに相談に乗っていただいて、こうした思いをしているのは自分たちだけではないことを知らされ、同じ問題を抱えている全国の家族たちがこの六年以上の月日を支えてくれた。どうかこれからも牧師先生方、被害者家族の力になってあげてください」と訴えた。
三つ目の最高裁判決は出ていない中での感謝会ではあったが、六年余りの裁判の過程で、教団のこの問題への取り組みの誠実さが社会的にも評価されるようになった事、他教派と共にエキュメニカルに「統一協会問題キリスト教連絡会」が組織され予防や韓国諸教会との協力が進んだ事、「被害者家族の会」の誕生、被害者のアフターケアのための「NPO法人小諸いずみ会『いのちの家』」が開設された事…、といった具合に、この裁判を契機に多くの実りが生み出された意義は大きい。
当日参加者から二二万三千円の参加費カンパが「支える会」に寄せられた。