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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4596号】十年目のクリスマス 中国・武漢の教会

2006年2月11日

一八日、武昌堂での朝の礼拝。三階の礼拝堂に入れず、二階の大教室二〇〇余名の群に割り込み、有線テレビによる説教「イエスが世に下って何をしたのか」に耳傾ける。洗礼式冒頭、受洗者確認の点呼に合わせて指折り数えると、三八名で若い人が多い。(ここでは通例、授洗を金、土、日の三回に分け、受洗日を選択させている。妻の出席した礼拝堂ではこの日一二〇名ほどが受洗)。報告で「中国ではここ数年クリスマスが盛んになる一方。平安夜(イヴ)は人でいっぱい、乗れる車もないほど。平安夜礼拝は午後二時半から」と。
二三日の晩、武漢音楽学院編鐘音楽庁で「新春的詠嘆二〇〇五湖北省外国専家聖誕専場音楽会」。湖北省人民政府の外事関係部門が省内で働く外国人教師や企業マンを接待したもの。(編鐘とは湖北での出土で有名な古代の楽器)。民族管弦楽の合奏二曲で始まり、揃いの民族衣装「カチューシャ合唱団」お年寄り男性一八名がずらりと横二列で一曲、続いて後ろ一列に退いた前に中年女性二七名が横二列で加わり、混声「カチューシャ」。さらに一人舞踊あり、男声中音、女声高音の独唱あり、琵琶の独奏に糸弦重奏あり、少数民族のダンスで女子一六名の群舞あり、男声女声高音低音など各種の独唱や二重唱あり等々、男子一六名による勇壮な群舞でフィナーレ。宗教色は皆無。盛りたくさんでなかなか楽しく、少数民族の舞踊にコーラス・カチューシャが最高。
二四日、朝の電話で「先生、クリスマスおめでとうございます」。合肥聯合大学の日本語専攻クラスで聴講生として来ていた学生から。九年前よく礼拝に行き一年後のクリスマスに受洗したものの、その後は時々程度だったのが「このごろは近くの集会点の礼拝と金曜日の集まりに通っています」。
昼過ぎ、夜は混雑で動けないなら午後の平安夜礼拝に行こうと、一人で武昌堂までバスで三〇分。定刻二時半に一五分ほど遅れて、三階の僅かに空きの見られる礼拝堂に座れる。三五〇~四〇〇人ほど。
説教などは短く、慶祝番組に移行。席を離れる人もある一方、右手の階段上からひっきりなしに後方へと入ってくるほとんどが若い男女。閉会間際に横に座った二人も、讃美歌や聖書も知らず開け方を教えてあげる。かなりぎっしりになっていて、終わりの主の祈りなど前からしか聞こえない。帰り際、入り口で遮り閉めていた。
その留守に、歴史研究所の若い劉家峰さん夫妻と事務の劉莉さんとが来訪。「東亜(中日)韓基督教の比較研究」を共同でとの関係からの模様。妻が在宅していて歓談できてよかった。
二五日、朝九時半からクリスマス礼拝。二〇分前に着き、階段下で通せんぼ。二階にも上がれず、一階の小部屋やロビーも満杯。コンクリー院子(中庭)もすでに大勢、それでも後ろに運ばれてきた横長木製ベンチに座りこむと、四人掛けに五人でぴっちり。寒いとは言えさほどの寒さでもなく、じっと我慢の程度。だんだん増え三〇〇~四〇〇人ほど。(三年前の夏、最初の礼拝もここ)。
説教が始まったころふと見ると、制服制帽と制服無帽の警察官が三人現れ、後ろに回ったり立ち止まったり。私服の男女も何人となくカメラを手にし佇んで打ち合わせたり、外側階段の上からあちこちレンズを向けたり。何事が起きるわけでもなく、手持ちぶたさの風情。二階や三階でもこうなのかどうかは不明。帰り際、道路にも数人と車二台ほど。去年もこんな風だったような感じでもある。
(加藤実報 教団派遣  宣教師・華中師範大学)

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