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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4599号】春季教師検定試験 110名の受験志願者数に感謝

2006年4月1日

「聖書から聴く」姿勢を

二〇〇六年春季教師検定試験は、二月二八日~三月二日、東京・京都の両会場で行われた。今回の受験者総数は一一〇名、内訳は補教師九二名(Aコース三九名、Bコース二九名、Cコース二四名)、正教師一五名、転入・復帰三名であった。
試験直後に行われた委員会での学科試験の判定によると、補教師試験では受験した九二名の内、合格者は五六名、保留者一五名、不合格者五名であった。Cコース受験者は二四名の内一六名が継続となった。正教師試験では受験者一五名の内、四名が合格、八名が保留、三名が不合格となった。保留者については改めてレポートが課され、後日、再判定することになっている。また転入志願者二名、教師復帰者一名について審査し、補教師転入一名、正教師転入一名を常議員会に推薦、教師復帰については保留とすることとした。
今回、補教師試験の不合格者は少ないが、保留者はなお多く見られる。特に教憲教規・宗教法人法に関しては、ほとんどの者が合格点ぎりぎりの点数であった。それは、この試験では単に教会実務だけではなく、そこに表された教団の教会や教師についての理解が求められるのであるが、理解が不十分であるために問題の意図を正しく受け止めることが出来ていない解答が多かったからである。日本基督教団の教師となるのであるから、きちんと学んで備えて欲しい。正教師試験の再試験の結果は、大変残念なものであった。
今回の出題も基本的な理解を問うものであった。教師として宣教の場に遣わされてみ言葉を宣べ伝えていく上で、聖書及び教会史や組織神学などに対する基本的な理解と神学的思考が欠かせないことは言うまでもない。ただ受験のために準備するだけでなく、今後も学びを継続し、研鑚を深めていくことが望まれる。
学科試験後の個人面接に先立ち、両会場で全体会を行った。まず菅原力委員長が挨拶した。その中で、今期の教師検定試験委員会の方針ならびに教憲第9条に触れ、神様の召しに応えての試験であることが確認された。また、二種教職制については現在そのための委員会が設けられて検討が進められていること、試験会場の一本化については今秋の試験を大阪、来春は東京という形で実施されることが報告された。受験者からは、試験会場が一本化された場合の交通費の補助についての質問が出された。それに対して、従来の補助をふまえ検討しつつ実施していくことが事務局より回答された。
試験後の委員会では、いくつかの課題が指摘され、話し合った。特に全体として「釈義」が弱くなっている点を重く受け止めた。これは今回だけでなく、前回からも見られたことであるが、「釈義」の体裁になっていないもの、大半を黙想に費やしているもの、聖書本文を全文記して釈義の字数がきわめて少ないもの、参考文献が少なく一、二冊の注解書で済ましているもの、注解書を写しているものなど。説教作成における「聖書から聴く」という基本的な姿勢が弱い者が少なくなかった。そこで委員会としては、次回の試験より「釈義」の分量を、現行の「黙想を含めて原稿用紙5枚以上」から「黙想を含めずに原稿用紙7枚~10枚、それに黙想を加える」に変更することとした。何よりも「聖書から聴く」という姿勢を確かなものにしていって欲しい。
今回の受験者の中に複数の障がいのある方がおり、パソコンを用いての別室受験、別室での口述試験となった。様々なケースがあるが、今後も出来るだけの対応をしていきたい。
秋季の検定試験のための説教・釈義の聖書箇所、組織神学・神学論文の課題を決めた。次回の委員会は、八月二一日~二二日に、試験会場の下見を兼ねて中野サンプラザで行うこととした。
今回、新たに、日本基督教団教師となる召命を受けた一一〇名の受験志願者を与えられたことに感謝する。受験された一人ひとりが今後も主の召しに応え、良い働きをされるよう、委員会として祈るものである。    (小堀康彦報)

*2006 年春季・補教師検定試験問題

教憲教規および諸規則・宗教法人法(60分)
(A・B・CⅢコース)
次の2題に答えてください。
1. 「教憲教規および諸規則」において、教師は「正教師・補教師」、「牧師・伝道師」、また、「主任者たる教会担任教師・教会担任教師」などの名称で呼ばれていますが、これら三種類の呼称の意味の違いを説明してください。
2. 「宗教法人法」の目的を、信教の自由との関わりから述べてください。
旧約聖書神学(60分) (B・CⅢコース)
次の2題に答えてください。
1. キリスト教会にとって旧約聖書がなぜ必要か、いくつかの理由をあげて述べてください。
2. 旧約聖書の人間観について、テキストをあげて述べてください。
新約聖書神学(60分) (B・CⅢコース)
次の3題のうちから2題を選んで答えてください。
1. 共観福音書における「受難予告」について述べてください。
2. ヨハネによる福音書における「聖霊」について述べてください。
3. パウロの「律法」理解について述べてください。

「講評」

教師検定委員長
菅原 力

第34総会期春季教師検定試験が実施されました。今回の試験も一一〇名という多くの受験者が与えられました。このことをまず、神に感謝するものです。
試験の結果は報告にあるとおりです。受験者一人ひとりがこの結果をこれからの歩みの中で真摯に受けとめてほしいと願っています。
御言葉に仕える者としてたてられていくことをさらに深く自覚し、聖書に固着して聞き続けていく姿勢を形成してほしいと思います。そして神の業に存分にお仕えしていくために、いよいよこれから謙遜に学び続けていってほしいと願うものです。
二〇〇六年秋季の検定試験から試験会場を一本化し、秋は大阪で、春は東京で実施することになります。一本化することで生まれるメリット・デメリット、今後とも受験者の声も聞きながら、取り組んでいきたいと考えています。

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