三月十五日に岡田直丈宣教師派遣式が、また、三月十八日に大野高志宣教師派遣式がそれぞれ執り行なわれた。
岡田氏のブリュッセル日本語プロテスタント教会への派遣式は、木下宣世世界宣教協力委員会書記の司式、大宮溥同委員長の説教で早稲田奉仕園を会場として行われた。
岡田氏は十貫坂教会での伝道牧会の後、ドイツ・トリアー大学に留学した。留学中にベルギー・ブリュッセルを訪問した折、ブリュッセル日本語プロテスタント集会に出席したのをきっかけに集会を手伝うこととなった。集会を担当していた牧師が昨年逝去し、集会を教会として発展させて引き継ぐことを神の御旨と信じて決意した。
その後ベルギー福音宣教会(BEM)から日本人伝道のために招きを受け、教団とBEMの協議により、岡田氏は宣教師として派遣されることとなった。教団がベルギーに宣教師を派遣するのは初めてのことであり、BEMとは新しく協力関係を構築することとなった。
BEMは負担金を課さないが、各個教会での独立した財政責任を原則としており、ブリュッセル日本語プロテスタント教会もその責任を負うこととなった。岡田氏はすでに日本での支援会を立ち上げ準備している。
派遣式の後にもたれた茶話会で、岡田氏は「この召しは大変困難であるが、ベルギーばかりではなく、ルクセンブルグをも含めた地域を射程にして宣教に専念したい」と決意と抱負を熱く述べた。
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大野氏のケルン・ボン日本語キリスト教会への派遣式は天満教会(大阪)で村山盛芳世界宣教協力委員の司式、深田未来生同志社大学名誉教授の説教で行われた。大野氏は天満教会での四年間の伝道牧会を経て宣教師公募に応募し、小栗献宣教師の後任として派遣の運びとなった。
従来から、ケルン・ボン日本語キリスト教会への派遣要請をしてきたEKU(合同福音主義教会)が改組され、数年後にはEKD(ドイツ福音主義教会)と合流することになった。大野氏は、EKUの主要メンバーであるラインラント州教会からの派遣要請による派遣となる。
この変化に伴い、日本側の財政負担率が増加した。これまで、ドイツ側の全面的な支援により、ケルン・ボン日本語キリスト教会は支えられてきた。しかし、今後は財政をも含めた責任を負うことが求められているため、支援会の働きはさらに重要となる。
大野氏は茶話会で「まったく新しい出発に不安はある。しかし道を備えてくださるのは主ご自身であると信じている」と決意をさわやかに語った。
ヨーロッパへの宣教師派遣は、新しいパートナー教会、そしてパートナー教会との新しい関係の構築が必要である。両者とも教団には重責である。派遣宣教師を覚えて、ひとりでも多くの方、一つでも多くの教会が支援会のメンバーとなって世界宣教の業の一端を担うことが期待されている。