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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4617・18号】第35総会期 第1回常議員会

2007年1月20日

「荒野の四〇年」

歴史評価巡り議論

第35総会期第1回常議員会は、十二月十二日から二日間、教団会議室で、三〇人中二九人が出席して開催された。
議事に入る前に、先例に従い、今総会期の常議員会の運営について懇談の時が持たれ、山北宣久議長は冒頭、①節度ある陪席を望む。常議員、要請陪席者の発言に重点を置く。議長の指示に従わない要求陪席者は、陪席を取り消し、次回もその点を考慮する②教団の将来に力点を置いて議論を深めたい③常設委・教区の現状を常議員会に反映し、課題を共有したい④沖縄教区が主体的に取り組んでいる「将来委」を注視しながら、沖縄と関係を深めて行きたい⑤財政とりわけ出版局の経営強化に努めたい、との基本姿勢を明らかにした。
懇談は一時間余に及び、議長総括の在り方、オープン(無差別)聖餐、教憲・教規と教会現場、議案の立て方などについて熱い意見表明が続いた。
議事に入り、出席者の点呼の代わりに、常議員が自己紹介を行い、続いて要請陪席者の教区議長が挨拶した。教区からは一人の代理出席を含めて、全教区が出席し、知花正勝沖縄教区議長は、「合同教会としての良いサインを持って帰りたい」と述べた。
「第35回教団総会に関する件」から実質審議が始まったが、議長総括報告に論議が集中した。白熱した論議は、①総括の姿勢、内容②議長総括の在り方、という二点に集約することが出来る。
総括の内容について、「荒野の四〇年は同時に恵みの四〇年だった。なぜマイナスだけ上げつらうのか」「将来への展望が欲しかった」という批判に対し、山北議長は「過去の中に収穫があったことは承知しているが、あえて問題点のみ列挙した」と答え、「議長は長いスパンで考えるべきこと、避けることが出来ない問題を提示した。議長の提示を真摯に受け止めて考えるべき」「過去があっての将来。議長総括を高く評価する」などの賛意表明があった。
議長総括の在り方については、「教団総会議長の総括だから、自己の任期の総括に限るべき」「個人的見解を総会の冒頭で披瀝すれば、総会は対立的にならざるを得ない」「議長はモデュレーターなのか、統理なのか。常議員会に諮ったうえで発表すべきでなかったか」などの反論に対し、「総括で議長が所信表明することはごく自然」「過去の総会でも戦後五〇周年を総括している」「直後の不信任案を否決したことにより、総括が受け入れられたことを証明した」などの賛意表明が続いた。この議事で第一日目の審議の大半の時間を費やしたが、議論は平行線をたどったまま、溝は埋まらなかった。
議長総括に続き、総会での同性愛者への差別発言について「発言削除で処理するのでなく、もっと丁寧に対応すべきだった」との意見表明があり、この後、この問題で抗議・要望書を提出していた京都、兵庫、九州三教区議長が発言。これを受けて、当該教区の福島純雄東北教区議長は、①教区内外に声明を出す②07年教区総会時に協議会を設け、この問題を学ぶ③教区総会前に学習会を持つ、との東北教区の対応を明らかにした。
竹前昇総幹事報告に関する審議で、兵庫教区の阪神大震災第二次募金の処理について「常議員会が決議した第三次募金への組み入れがなぜ進まないか。兵庫教区の説明が欲しい」との意見に対し、竹前総幹事は「一千万円は組み入れたが、その後は進展していない」と答え、菅根信彦兵庫教区議長は、「募金はまだ動いており、終結出来ない」と述べた。この答弁に対し、「先に、募金が終わったので他に回したいと言ったのは兵庫教区だった。教区議長の発言に統一性がない」との反論が出た。
また、総幹事報告の中で阪神大震災募金問題が取り上げられたことに関連し、三浦修関東教区議長は、中越地震被災教会の現状報告を行い、「再建の必要な見附、小出、十日町の三教会(工事費概算計一億七千万円)は来春の雪解けを待って工事を開始する。募金の必要となる山場はこれから」と支援募金への一層の協力を要請した。
第一日目の議事の最後に、西澤宏常議員提案の「教育基本法改正に反対する決議を行う件」(追加一号議案)が上程され、西澤常議員は「教育基本法は憲法と一体をなしており、この改正は、憲法改正に向けて外堀を埋めるもの」との提案説明を行った。
討議でも反論は出ず、「国家主義を忌避し、日本国憲法の理念に立った法として作られた現行法に対し、その理念を放棄した教育へ改革されようとしていることに私たちは深く憂慮し、教育基本法の改正に反対する意志を表明する」との決議を可決採択し、関係者へ同決議を送付することとした。第一日目は午後六時二五分終了した。
(永井清陽報)

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