【4619号】日本キリスト教社会事業同盟 韓国の教会の社会福祉への取り組みを見学して

大韓イエス教長老会訪問、交流の時

昨年、十一月二四日から二八日にかけて、日本キリスト教社会事業同盟(社事同)では、韓国のキリスト教社会福祉を見学させていただくために、大韓イエス教長老会(PCK)総会を訪ねた。社事同では二〇〇二年からPCKとの交流を進めており、研修と親睦のために毎年交互に訪問しあっているが、これは教団とPCKとの宣教協約を足がかりとして始められた。
昨年はPCKから数名が来日され、浜松を中心に聖隷関係のキリスト教社会福祉を見ていただいた。歓迎夕食会には、教団から小林副議長、小出社会委員長もご出席いただき、プログラムの一つとして牧ノ原やまばと学園を会場に、地元の中静分区の教職者にもご出席いただき、交流と協議の場をもつことができた。
三回目となった今回の訪韓は、理事長・施設長研修を兼ねて参加者を募り、社事同の理事や加盟施設の管理者など八名が参加した。
これまでも強く感じたことであるが、韓国では教会(教団)の組織の中に社会事業が位置づけられている。今回訪問したPCK総会社会奉仕部の事務所もソウルにあるPCK総会本部の中にあり、私たちも同じ建物内にある宿泊施設に滞在させていただいた。また、当日までの準備と実際の案内は社会奉仕部に所属するキム・ジョンセン牧師、イ・ミョンスク伝道師が担ってくださり、長老会神学大学のパク・ミエ宣教師が、通訳者としてずっと私たちに同行してくださった。
私たちは、ソウルとテジョンで、教会が取り組んでいる社会事業の現場を見学することができた。日本ではキリスト教主義の社会福祉団体も、多くは「社会福祉法人」として、法的に別団体として運営されているが、韓国では多くの場合、教会(教団)の中の事業として位置づけられている。クリスチャン人口が一%未満とされる日本とは違い、韓国では二〇%から三〇%くらいがクリスチャンだということなので、当然、教会のもつ力に大きな差があり、単純に比較することはできないが、どの現場においても信仰的な動機から社会事業に取り組むというしっかりとした姿勢をもっておられるような気がした。
二六日の日曜日に訪問したソウルのコチョク教会は会員数が七千人、主日礼拝は一千人規模で五回に分けてなされているとのことだった。確かに韓国でも大きい教会ではあるが決して特別に大きいということではないとのことだった。この教会で、午後に私たちのためにPCK社会奉仕部の主催で社会福祉事業のセミナーが開催された。私たちの他に教会のメンバーも自由参加で多数同席された。教会がこれまで社会事業に取り組んできた経過の話の中にも、キリストに救われた者の生き方としての信念が力強く語られた。また、それぞれの地域の中に、あるいは実践の中から必要性を感じる中で、毎年のように次々と新しい事業に積極的に取り組んでこられたことを知ることができた。
しかし、積極的に地域社会に仕える取り組みは、教会が大きいから可能なのではなく、小さい教会においても同じであった。
ソウルから新幹線で南に約一時間のところにあるテジョン市の駅の近くにある教会は、会員数は四〇名程だそうだが、周辺に住むホームレスや独居老人などに、ほとんど無料で毎日平均三〇〇食の給食事業を実施していた。月曜から金曜は夕食、土曜と日曜には昼食に実施されている給食には、外部のボランティアの手助けもあるということで、私たちもお願いして、配膳などの飛び入り参加させてもらった。給食時間になると礼拝堂は食堂と化し、一〇〇名を超える人でいっぱいになり、さらに教会の外まで交代して給食を受けようとする人たちが長蛇の列となっていた。
またある教会では、両親が働いているため放課後に居場所のない子どもたちのために学童保育のような事業をしておられた。
どこの教会でも「どうしてこのような働きをはじめたのか」と尋ねると、異口同音に「地域にニードがあるからだ」との説明を受けた。牧師が率先して取り組み、教会員や周囲の人たちがそれを助け、教会が中心になって地域のニードに応え、様々な活動が展開されている様子を見学することができた。同時に、福祉は行政か福祉施設がするものだというイメージが強い一般的な日本の教会との意識の差が感じられた。
今韓国では日本を上回る勢いで少子高齢化が進行しており、育児や高齢者福祉についての関心は高いようだった。特に介護保険については、日本のこれまでの経験を参考にしたいという期待も感じられた。
ハングルの読めない私は、直接に言葉の情報を得ることができず、外国であることも実感したが、顔かたちからは同じ東アジアであることも強く感じたし、歴史的にも文化的にも日本と非常に近い存在であることも知ることができた。社会福祉関係で海外への研修というと、ソーシャルワークやノーマライゼーションという言葉のように「欧米か」と思いがちだが、地理的に一番近い国であり、これからの国際協力を考える上からも韓国との交流は大切なのではないかと思った。
私自身不勉強で詳しい事情までは理解できていないが、北朝鮮や東南アジア諸国では、社会福祉の課題が山積であろうと思われる。世界的な視野をもってキリスト者として生きようとするとき、国境を越えて「隣人」としてアジア諸国と協力し、その地域に仕えることは、日本の教会の使命の一つではないかと思う。
かつて北米の教会が日本各地でその地域のために種を蒔いてくださった教会と学校と社会事業は、長い間宣教協力協議会(CoC)というかたちでつながりをもってきた。今年CoCが解散することを受けて、昨年、教団では世界宣教部が位置づけられた。キリスト者として地域に仕えようとするとき、教団に属する諸教会、関係学校、関係社会事業の協力の必要性を強く感じた今回の韓国への旅であった。
(稲松義人報・社事同理事長)

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