【4620号】教育基本法「改定」論議の奥にあるもの 東京信徒会講演会開催

一月二〇日(土)富士見町教会を会場に東京信徒会が開かれた。参加者七五名。
開会礼拝、長村亮介牧師による説教「主よ、その水をください」に続き、聖学院大学の阿久戸光晴学長による講演が行なわれた。氏は「教育基本法『改定』論議の奥にあるもの…明日の日本社会に福音が訴えること…」と題して、教育基本法論議の奥にある問題と教会のとるべき社会的役割を語った。
冒頭、夏目漱石著「夢十夜」から、「見えるものは、現れているものから出てくるのではなく、御言葉を中核とする明確なビジョンから現実構造となって出てくる」として、教育目的の明確な姿を持ちながら考えようと前置きした。
さらに現在の日本の状況を芥川龍之介著「トロッコ」を引用して示唆した。トロッコおじさんの誘惑の結末から、一目散に母親の懐に飛び込んだ少年。主人公がその安住の地であるはずの故郷をはなれて、今東京で校正の仕事をしている現実。美しい日本に戻ろうとの掛け声のもたらす状況がこの主人公と重なり合って、ただ元に戻れば解決するとは言えない疑問が暗示されている。
原教育基本法は一九四七年、田中耕太郎、務台理作、河井道など当時最高の知識人により、新憲法に基づく新しい日本作りの主観的規範として制定された。
前後して派遣されて来た米国教育使節団による日本の教育状況調査答申は、教育の貧困、教育者の萎縮、兵士のような国民(指示待ち人間)、国家の教育介入があると指摘している。
原教育基本法の根本思想は明確な教育目的があり、人格の完成を目指し、自主的精神、自発的精神、普遍的にして個性豊かな文化、そこには個人と社会と国家の三分法が基本にある。
しかしこの六〇年、こうした精神による国作りが成功してこなかった。自由に入り込んだ腐敗が混乱を招き、腐敗した自由を理由に改定が行われた。
改定教育基本法は、個人 の尊厳と公共の精神を並列においている。本来は、個人の尊厳の徹底から他者意識が生じるところに本質があるが、国家的公共性が強調される危険性が見えてくる。また、豊かな情操から誘導される「心のノート」、自主自律の精神と勤労意欲高揚、伝統文化の尊重、愛国心と郷土愛など微妙な問題を孕んで織り込まれている。
こうした日本の状況は、パウロの課題と重なり、コリント前・後書、ガラテヤ書から示唆される。
根本的体制は変った。しかしその運用規範は未成熟であり自由の成熟育成の使命がある。教会はその社会的役割を、確かな「海図と風見と羅針盤」により果たしていくことが求められていると力強く結んだ。
(鈴木功男報)

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