奥羽教区では毎年「キリスト教幼児施設教職員修養会」という集いを開催しています。保育園や幼稚園、その他教会関係の諸施設に勤める方々と、広く全教会にも開かれた学びと交わりの場として実り豊かに開催してきました。今年は三三回目になります。
近年共通したテーマとしては「共に育つ」を基本にしてきていますが、その上で今回は、教育基本法が改訂されたなかで、改めて「平和」を考える機会を、キリスト教保育の問題として捉え直しながら学びました。ねらいを「キリスト教保育の本質に関わる子ども・幼児礼拝の深い意味を見つめ直し、未来の世界を生きる子どもたちと共に平和の賛美を響かせよう」とし、一月五~六日に花巻の志戸平温泉で開催しました。参加者は七五名でした。
講師には教団讃美歌委員で、仙台北教会のオルガニストでもある川端純四郎先生をお招きしました。開会礼拝の賛美とメッセージに続いて、講演Ⅰで先生は、「子どもたちに明るい未来を」というテーマで、聖書的視点から、人間らしさとは何かという根源的な問題を問い、また今日の子どもたちを取り巻く社会の諸問題を極めて分りやすく、具体的に示され、そのなかで子どもたちの未来に日々携わる働きの深い意義を気付かせてくださいました。
分団での分かち合いに続いて、希望者への奏楽者ワンポイントアドバイスも企画されていましたが、初心者からベテランまで、先生の優しい指導と助言が大変好評でした。
二日目は朝の平和への祈りの後、「改訂こどもさんびか」を用いて先生の解説と奏楽でたくさんの賛美歌を大きな声で歌いました。それは「改訂こどもさんびか」の中に収められ、深い平和への祈りが込められた素晴らしい賛美歌に出会い、その祈りを共に歌うひとときでもありました。
今回の集いの最後は、感動的で豊かな閉会礼拝の時を共に守ったことです。教えて頂いた平和の賛美歌を取り入れた礼拝では、一人の「戦争と平和の語り部」の静かな証しの言葉に涙し、心を揺さぶられました。
花巻教会員の三田照子さん(九〇歳)は、旧満州国からの引き揚げの混乱と悲惨の現実を語り継ぐ働きを各地で続けておられますが、孫のような若い参加者の心のなかにも「平和」という尊い種が蒔かれた礼拝でした。子どもたちこそが私たちの未来そのものであり、その子どもたちと共に、これからも平和の賛美を響かせようと、各地へ散らされていきました。
(太田春夫報)