第56回西中国教区定期総会が、四月三〇日(月)~五月一日(火)、東広島市の西条グランドホテルを会場に開催された。
冒頭から質疑が相次いだのは、前回に引き続き今回も教団問安使に関してであった。議事においては、常置委員会よりの推薦准議員の承認の際である。
総会直前に開催された常置委員会は、送付されてきた教団総会議長による「2007年度教区総会への挨拶」の特に「2.正しい聖礼典の執行」に対して批判的「見解」を現すと共に、教団問安使の准議員推薦に当たっては、この「挨拶文」に沿った挨拶は受けないことと「挨拶文」に関する議論もしないことを条件に議場に推薦した。
議論は直接にはこの提案を巡って為されたが、これまでの経緯として前回教区総会は教団問安使の准議員を認めなかったことや、その直後に帰ってしまった教団問安使の振舞い、また直前の常置委員会に出されていた《准議員として推薦しない》《挨拶を受けない》《「挨拶文」の取り扱いを慎重にする》を主旨とした「要請書」の関連において質疑や意見が相次いだ。
時間的制約につき准議員推薦は一括承認が求められ、一旦は承認されたものの、教団問安使に関してはその挨拶の段になり再び議論は再燃した。
紙面の都合上、これ以上記すことはできないが、結果、常置委員会の提案通り議場は、教団問安使の教団総会書記の《儀礼的挨拶》を受け議論を控えた。
定例議案以外で可決された議案としては、「『西中国教区教職謝儀互助資金』制度改正に関する件」、「教区事務所の所在地を2009年度に固定化するよう準備する件」、「『憲法「改正」に反対する決議』をおこなう件」(以上、常置委員会提案)、「2006年12月25日及び2007年4月27日に7人の死刑囚の死刑が執行されたことに抗議し、西中国教区として改めて死刑制度の廃止を求める為に具体的に取り組む件」、「西中国教区として『ウラン兵器全面禁止と被害者支援・被害調査』を日本政府に求める件」、「西中国教区が宣教の課題として『農』とのかかわりを改めて確認する件」、「第35回日本基督教団定期総会で起こった『同性愛者に対する差別発言』について、西中国教区として『差別発言』であるという認識にたち、教区内であらためて同性愛者差別についての認識を深め、諸教会・伝道所での同性愛者に対する差別をなくす為に具体的な取り組みをおこなう件」、「4月23日より行われている沖縄・辺野古における米軍新基地建設の事前調査に強く抗議し、新たな基地建設を阻止するために教区として引き続き具体的に取り組みをおこなう件」(以上、議員提案)。
同じく定例以外で常置委員会附託となった議案は、「イラクからの自衛隊即時撤退を求める件」、「西中国教区として、米軍再編に伴う岩国基地の機能強化を断固阻止すべく更に取り組みを推進する件」、「上関原発建設計画の中止を求める件」、「西中国教区は、教会内で引き起こされているセクシュアル・ハラスメントをいのちと尊厳に関わる事柄であるとの認識を深め、教区常置委員会として具体的な取り組みを行う件」。
准允は海老原佳奈子(広島流川)、按手は小川文子(秋鹿)と金子健(安来)がそれぞれ受領。
議長・柴田もゆる(廿日市)、副議長・東島勇人(益田)、書記・小畑太作(周陽)をそれぞれ選出。
教区常置委員選挙結果
【教職】高橋敏通(下松)、西嶋佳弘(広島牛田)、宇佐美節子(神辺)
【信徒】西澤宏(広島牛田)、島敞史(宇部緑橋)、浦部頼子(小郡)
(小畑太作報)