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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4629号】互助制度の維持と財源確保が課題 予算案常置委員会に差し戻し 沖縄

2007年6月23日

第62回沖縄教区定期総会は、五月二七、二八両日、沖縄キリスト教センターに、正議員四六名中、開会時四三名が出席して開催。総会は五年連続で問安使を拒否した。
知花正勝議長は、議長報告で「互助要請の増加と経常収入減少で均衡が崩壊し、互助制度の維持と財源確保が大きな課題となった。教会の実力を丁寧に議論する時代に直面している」と述べた。
これに対し、「大幅な互助のカットを総会で初めて知った。何故いきなりの減額発表なのか」、「教会総会では従来通りの互助を見込んで予算を可決している」など激しい反論が相次いだ。知花議長は、「従来はルールを破って資金を取り崩して来たが、厳しい財政状況の中でルールに従って決めた。教区がどうやって教会を支えることが出来るか。重い宿題だが、皆が祈って決断するしかない」と答えたが、いったん議論を収束して予算審議で引き継ぐこととした。
一日目夕食後、教区が当面する最重要課題、「将来教会の在り方を検討する特設委員会」に関する全体協議会が、傍聴者を含め七〇人近くが参加して開かれた。
まず平良修委員長が発題。教区総会から付託された「沖縄にある望ましい将来教会の在り方」に関する九項目中、これまでに五項目の討議を終えたとして説明を行った。平良委員長はその中で、「日本国家により構造的差別の中で苦しめられている沖縄の教会として、独自の信仰告白を告白せざるを得ない。キーワードは沖縄だ。教会は国家を相対化し、国家から自由な存在として働く。ただし、委員会が教団離れという結論をもって臨んでいるという批判は全くの誤解だ」と語った。
平良委員長はまた、「残る四項目と教団との関係の在り方については、今年中に答えを出し、来年の総会に最終答申を出す」ことを明らかにした。
その後、時間が切迫しているとして、全体での質疑応答を取りやめ、五項目ごとの分団に分かれて分団協議を行った。分団では委員会のまとめを委員が説明し、周知させるという色合いが濃厚だったが、「なぜ沖縄の特性を強調するのか」、「沖縄に立つ、が全てのキーワードと言われると、本土から来たものはどうなるか。逆差別でないか」といった反論とはかみ合わず、平行線を辿ったままだった。
実質討議に入った第二日目、最も論議を呼び、紛糾したのが予算、決算議案だった。06年度決算で一部の款項目の金額と委員会会計決算との整合性、繰入金処理を巡って質問、意見が集中。知花議長は「会計事務所に依頼したことにより、款項目の新たな処理があり、整合性の問題が生じた。何ら不正や間違いがある訳ではないが、手続き上の瑕疵があったことは認める。今後は会計規定を作り、こうしたことを避けたい」と述べ、「決算の処理を常置委員会に付託する」との提案を行った。採決の結果、二七人中、十四人の賛成で可決され、決算議案は常置委付託となった。
より紛糾したのが07年度予算案で、互助伝道費が七一八万円と前年度六八%に抑えられ、申請額(一一三七万円)比では三七%の大幅減となった。知花議長は「教団と距離を置くとの姿勢から全国募金は出来ず、財政的逼迫から削減に踏み切らざるを得なかった。これ以上、資金を取り崩して行くことは出来ず、批判を受け止めるしかない」と苦衷を述べた。
沖縄教区では二七教会・伝道所中、十一教会・伝道所が互助を受けており、互助削減が教師生活扶助費にまで及んだ点に、「三七%減では牧師を辞めるしかない」、「資金を取り崩すことが何故出来ないのか」などの反論が相次いだ。
重苦しい空気の中で議場から①予算案を常置委員会に差し戻す②互助費を前年度同額とし、資金を取り崩す、の二つの提案が出たが、差し戻し提案だけがセコンドを得て動議として成立し、採決の結果、二四人中十六人の賛成で可決。常置委で予算を練り直すこととなった。
常置委差し戻し、臨時総会へという波乱の総会となったが、将来教会特設委の最終答申の出る来年の総会が極めて重要なものとなることを予見させる総会でもあった。   (永井清陽報)

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