古都・奈良、平城京の一角・かんぽの宿に、教団の教誨師二七名が結集した。二〇〇七年六月四~五日、今回の教区代表者会は日本キリスト教団・教誨事業協力会にとっては、歴史的一頁になると、代表幹事生野隆彦師(三崎教会/横浜刑務所・横須賀支所)が挨拶。藤崎信師の開会メッセージに始まり、後宮俊夫師の閉会説教で締めくくられた。
さて「教誨師の課題と展望」を主題、=教誨事業協力会のあり方=を副題に、井上喜雄師(金沢八景教会牧師/横浜刑務所、今年度財団法人全国教誨師連盟の理事に就任)が発題。
一九六八年の機構改正以来、教誨事業は「刑務所伝道委員会」が廃止となり「日本キリスト教団教誨事業協力会」として任意団体になった歴史的経過を振り返りながら、この働きは、おもに①有志の団体、②募金の団体、③研修実行の団体であると分析された。そして今後、この団体が個人を主体とするあり方(任意団体)から脱皮し「日本キリスト教団自主活動団体」に移行する時期にあることを示唆した。質疑応答ではこの移行の是非や、自主活動団体にするための規則作成、財政基盤の確立等々に関する討議がなされた。一方発題者三名、世良田静江師(羽犬塚教会牧師/麓刑務所)、浦上結慈師(大阪東十三教会牧師/大阪医療刑務所)、大野小康師(隠退教師/大阪拘置所)が施設現場からの活動報告をされ、それぞれ初任者の教育、受刑者の洗礼や棺前(かんぜん)教誨(受刑者の葬儀)、受刑者の更正保護など事例をあげて発表された。幹事会はこれらをどのように具体的に取り上げていくか、大きな課題である。又長年要望されていた“キリスト教教誨マニュアル”を発行し、教団教誨師全員に配布できた。
次期代表幹事に七月から深山祐(たすく)師(国分寺南教会/府中刑務所)が就任される。
(鈴木眞報)