【4631号】新任教師オリエンテーション

教団の教師として宣教を共に担う

出身校等の違いを超えた同労者

二〇〇七年度の新任教師オリエンテーションが、六月二五日(月)から二七日(水)まで静岡県伊豆市の天城山荘にて開催された。主題は「教団の教師として宣教を共に担う」。新任教師が六一名、関係者を含めると計八一名が参加した。新任教師となって三カ月、それぞれの働きの場から離れて、歩みを振り返ると共に、出身神学校等を超えた同労者としての新しい出会いと励ましの時ともなった三日間であった。

毎年行われているこのオリエンテーションは、次の三つの課題を掲げている。①日本基督教団の「教師」像を探ること。②日本基督教団の「宣教」の内容を探ること。③宣教を「共に」担う協力体制を探ること。
今回の日程の概略は次のようなものであった。第一日目には、松井睦教師委員長による開会礼拝に続いて、「教団の過去・現在・将来」として山北宣久教団議長の講演、夜は「交わりの時」。第二日目は、「教団の教師像」として八束潤一教師委員が、「教団の働き」として小林眞教団副議長が発題をした。午後には、「教団の取り組み~差別と人権~」として東谷誠部落解放センター運営委員長の講演があり、「諸手続の説明」として勝山健一郎幹事、「出版局について」秋山徹出版局長、「年金局について」髙橋豊年金局長の話しがなされた。続いて「カルトの問題について」岩﨑隆教師委員が講演した。夜は分団に分かれてディスカッションがなされた。三日目は、「牧会講話」として小島誠志教師の講演があった。
全体として教団についての理解を深めつつ、それぞれの教師が希望をもって歩み続けることが出来るように配慮したプログラムを考えたものである。

・具体的諸問題に学ぶ

初日の山北議長の講演「教団の過去・現在・将来」は、まず過去の教団の歩みの中の誤りの部分を神の御前に懺悔したいと述べられた。その上で、将来に向けて大胆な伝道の実践をしていくことが必要であるとして、青年伝道や児童・高齢者伝道、献身運動、隠退教師・無任所教師の活用、憲法第九条の堅持による平和国家形成のための努力など、具体的な構想が前向きに語られた。
八束教師委員による「教団の教師像」の発題では、教憲を手がかりに、教団の教師像を「合同教会である日本基督教団を、教団信仰告白に基づいてキリストの体なる教会として建て上げるために召され献身した者」として述べられた。そして自らが属するホーリネスの群れの歴史をたどりつつ、合同教会の教師像の豊かさは、教団信仰告白の指し示すキリストの福音の豊かさの中に生きるところにあらわれると語られた。
小林副議長の「教団の働き」の発題では、自らが教団の教師になる時に、紛争のために試験が行われず信徒伝道者として出発した経験を振り返りつつ、日本基督教団が「合同教会」と言われるが、合同教会だからそれぞれ何をしても良いというのではなく、教憲によれば「公同教会」であり、それゆえ教団が一つの教会として教会固有の務めに仕えていくべきことを語られた。
東谷部落解放センター運営委員長は、そもそも人間にはそれぞれ優位に立ちたいという意識があることを分かりやすく解説しながら、差別の根深さを、実際に起こった「差別ハガキ事件」を例に挙げながら語られた。また質問に答えて、「寝た子を起こすな」という考えでは差別をなくすことが出来ないこと、そして差別が起こる不安を持たないで暮らせる世の中となるために共に歩みたいと語られた。
岩﨑教師は、「幻想と新々宗教」と題して講演した。「いわゆるカルト宗教・議論ある団体」とは何かということから始まり、なぜ人がそういう団体に入り込んでしまうのかということ、そしてカルト宗教などの団体の実際の種類等について丁寧に語られた。またそのような宗教や団体に入った人の悲惨な現実についても述べられた。予防としては、カルトの名前だけでも知っておくことや、見知らぬ人の勧誘に乗らないことなどを指摘された。

・互いを知り理解する

オリエンテーションは、講師の話を聞くだけではない。二日目、三日目の朝礼拝の奉仕は新任教師が務めた。それぞれ海老原佳奈子教師(広島流川教会)、池田季美枝教師(冨貴島教会)が、伝道牧会に出た場でのことを踏まえて説教した。
自由時間では、温泉に行く者や近くの滝に散策に行く者と、グループに分かれて初めての働きの場の緊張を離れ、リラックスした時を過ごした。
また二日目夜の分団は、出身神学校とCコース出身者がそれぞれ偏らないように配慮して分けられ、お互いに知り合い、また理解するきっかけとなることを願ってなされた。新任教師と言っても、その年齢や人生の背景は様々である。それが自己紹介の中でそれぞれから語られることによって、主の恵みを分かち合う良き交わりとなったようだ。各分団とも実際の働きの場に出ての説教や牧会上のとまどいや悩み、また希望なども語られ、豊かな時間となったと思う。
食堂での食事の時間も、共に食卓に着く中で、自然に互いに知り合いとなる時として過ごすことが出来たようだ。
昨年参加者から好評だった三日目の「牧会講話」は、今年も小島誠志教師(松山番町教会)が語られた。ご自身の豊かな経験の中から、参加者の関心の高い説教や牧会上の苦労などが失敗談を交えて語られ、トゲのように見える人が実は自分を育ててくれた主の恵みが証しされるなど、大きな示唆を受けると共に慰め、励ましともなった。
プログラムの終わりに「全体のまとめ」として参加者全員からひと言ずつ感想や思いが語られ、最後に鈴木伸治教団書記による閉会礼拝がなされ、参加者は緑に囲まれた会場をあとにし、帰路に着いた。
(小宮山剛報)

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