【4632・33号】要望書

文部科学大臣
伊吹文明 様
要  望  書
2007年7月18日
日本基督教団
総会議長 山北宣久

日本基督教団に属する私たちは、聖書に示された生き方を基本として、この社会で生活をしています。また私たちの信ずるキリストは、「剣をとる者は、剣で滅びる」と戦争の無益さを教えられました。私たちは、この教えが真理であり、全ての平和に直結するものと考えます。同時にこの姿勢は、憲法第九条とも共通するものであり、日本国民としても、平和のための努力を惜しみません。
しかるに、昨今の日本の状況は、教育基本法が改正され、個人の尊厳に代わり、国家主義に通じる恐れのある愛国心教育が盛り込まれ、さらに憲法改正の準備である国民投票法制定など、再び戦争への道を急いでいるとしか思えません。
また3月末の「高校歴史教科書検定」では、太平洋戦争末期の沖縄戦で起きた「集団自決」の記述に関して、「軍命令による自決」の記述を削除・修正する指示があったことを聞き愕然としています。
「集団自決」に関しては、「家永教科書裁判最高裁判決」で、日本軍の関与を明確に認めています。さらに、軍の関与を削除する理由が、係争中の裁判の一方の主張であり、驚きと怒りを禁じ得ません。
私たちは、かつての戦争による惨禍を思い起こすときに、今こそイエス・キリストの教えられた平和の真理に立たざるを得ないと考えております。であればこそ、戦争放棄を謳った憲法を選び取った日本で生活をしているのです。しかしそのような時に、かつての戦争の悲惨を隠蔽・歪曲することは、過去の戦争を肯定することとなり、断じて許すことができません。
キリストの教えに従うと共に、憲法に則り平和を祈る私たちは、文部科学省が、今回の「高校歴史教科書検定の修正指示」を撤回することを求めます。

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