能登半島地震に一億五千万円の募金開始
教団総幹事に内藤留幸氏選任
第35総会期第二回常議員会が、七月九~十日、教団会議室で開催された。
組織会では、新しく教区議長に選出された四氏が挨拶した。疋田國磨呂関東教区議長は、中越地震救援募金の御礼と更なる協力依頼を述べ、高橋潤中部教区議長は、能登半島地震救援募金への協力を呼び掛け、宮﨑達雄東中国教区議長は、「経常会計五〇〇万円以下の小さい教会が多い。小さい教会を覚えて議論が進みますようにと」と語った。また、柴田もゆる西中国教区議長は、「地方の教区の問題を共有するために、教区常置委員会による常議員会への提案権回復」を訴えた。
総幹事報告では、予算決算での款項目変更の是非や『教団新報』紙記事の見出しについて、セクシュアルハラスメント問題への対応について、等の質疑も行われたが、多くの時間を費やしたのは、山北宣久教団議長名で、教団出版局宛てに、『信じる気持ち』という題名の単行本の出版停止を要求する文書が出されたことに関するものであった。
山北議長は、「研究書ではなく入門書なので、これが教団の信仰理解と受け取られることを懸念する。事は、復活理解等教団の生命線に関わるものだ。看過出来ない」と、問題点を指摘、「出版停止・回収に値する。しかし、そのような指示はしていない」と説明した。
この件を巡り、本の内容よりもむしろ、議長文書とその公開の是非が議論された。(二面に関連記事)
「総幹事選任に関する件」が審議され、山北議長が内藤留幸氏を候補者として上げた。内藤留幸氏の年齢・健康を懸念する意見も述べられたが、就任は承認された。竹前昇前総幹事の病気による途中退任について経緯を説明した後、内藤氏が挨拶し、「教団の形成・使命の実現に少しでも役に立つならと、祈って決断した。教憲教規を大事にし、諸委員会を大事にする」と、特に教憲一条を上げて所信を述べた。
「『新潟県中越地震』被災教会会堂等再建支援委員会報告」では、小橋孝一委員長から各被災教会の現状が詳細に報告された。特に、「三〇〇〇万円の支出計画増により、献金不足額は二〇〇〇万円となる」と、予算が当初より膨らんだ経緯について詳しい説明があった。
また疋田國磨呂関東教区議長が個々の件について詳細に報告し、「半分の七五〇〇万円を教区として達成したい」と決意を述べた。
山北議長は、献金目標額を一八〇〇〇万円に上げることを含めて承認を求めた。「別に議案を起こした方が良い」という意見もあったが、愛澤豊重総務幹事からの、「提案事項を含む報告なので、報告を承認の上、提案を採決したら良い」との説明に基づき、委員会報告が承認され、その後、目標額の増額が可決された。
「『能登半島地震』被災教会復興支援に関する件」が上程され、大杉弘常議員が議案を朗読した。提案内容は、「再建支援委員会」を設置し、一五〇〇〇万円を目標額に募金を開始するというもの。提案理由では、被災した各教会・関係施設の現況報告が記され、また地域と各教会の財政状況にも触れられた。
高橋潤中部教区議長より、地震当初から今日に至る経緯が説明され、「風評被害をおそれ、報道が規制されたため、実際より被害が小さい印象を与えている」こと「教会の立地が川に近く土地が液状化した」ことなど、詳細に述べられた。
また、七尾教会の牧師釜土達雄常議員は、教会と附属施設が一体となって伝道してきた経緯を強調、「謝儀も注ぎ込んで幼稚園経営が成り立っている現実」等を切々と訴えた。反対意見は全くなく、応援とも言える意見が次々と述べられた後、原案が賛成多数で可決された。委員の人選は、後に、次のように決定した。原田謙(招集者)、大杉弘、長山信夫、津村正敏、小林眞。(新報編集部報)