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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4632・33号】「常議員会」懇談会開催、議論白熱 総会時の差別発言と未受洗者陪餐問題巡り

2007年8月11日

常議員会一日目夕食後、常議員懇談会が、多数の陪席・傍聴者も出席して開催された。テーマは、第35回総会での差別発言と未受洗者陪餐問題の二つで、差別発言問題に三〇分間、未受洗者陪餐問題に一時間が当てられ、小林眞副議長が議長を務めた。懇談会のため、常議員会の記録には残さず、発題を受けて自由に意見を述べる形で進められた。
まず第35回総会時の差別発言問題では、東谷誠常議員が発題した。部落解放センター委員長でもある東谷常議員は、現在でも結婚などに際し、差別が行われていることを説明して、「未だに解放されていない中にあって、35回総会で同性愛者を巡って二人の総会議員が発言した内容は、許されないものだ。イエスの言葉を人を排除することに使わないで欲しい。この問題についての学習会を教区、教会・伝道所で行われるよう議案を提案した」と語った。
この発題に関し、「発題の趣旨はよく理解しているが、発言した人もまた教会の一員。それを受け入れられないというのも又差別になることも考えて欲しい。この問題は、信仰の本義に戻って考えて行きたい」「性別の問題は戸籍システムと関わっている。出生届には性別、嫡子・非嫡子かを書かねばならないが、姓別について近年、二分法では割り切れないケースが多々報告されているし、医師の間違いもあることも考慮すべきだ」「身長を巡っても差別があり、善意の中でも差別
発言はある。人間のいるところ差別はあるといってもよい。このことを自覚・自戒することが肝要だ」「被差別地区の女性の結婚式が教会で行われた時、皆で祝福したことが当人、周囲の人の大きな喜び、励みとなった。このことを教会は常に覚えて行きたい」など四人の常議員からの発言があった。
続いて、北村慈郎常議員が聖餐についての発題を二〇分間行った。北村常議員はまず、「沖縄教区不在の中で行われた第35回教団総会の聖餐が正しい聖礼典の執行といえるのか」と切り出し、未受洗者陪餐を執行している立場として、「教会内で三、四年かけてじっくり論議をし、教会総会で決定したことで、組合教会としては許容されることだと思っている。決して軽々しく未受洗者陪餐に踏み切った訳ではない」と述べた。
また、聖書学の成果から、パウロの閉ざされた聖餐に対し、マルコは開かれてしかるべきと考えていたとする学者の解釈を紹介し、教会論、宣教論から「開かれた聖餐も有り得る」とし、「受洗→聖餐という閉ざされた聖餐を否定している訳でなく、多様性があってもよいと考えている」と語り、教憲教規違反とする信仰職制委員会答申に関して、「本当に違反なのか疑問がある。旧新約聖書は唯一の正典で、教憲教規に勝っており、聖書の解釈に多様性があれば、開かれた聖餐もありうる」と述べた。
これに対し、「教団という一つの教会において聖餐に関する相反する二つの解釈、執行が成り立ち得ると本当に考えているのか。一つの教会であるために教憲教規を定め、聖礼典の執行は教団の取り決め事項としており、各個教会で自由に決めていいとするなら、教団の外に出て行うしかない」「組合教会だから、という主張は到底承認できない。組合教会の自由をそこまで拡大解釈するなら、組合教会は成り立たない」「常議員が公の場でこうした主張を述べたことに大きな衝撃を受けた」「こうした論議を聞いて『キリストが段々遠くなる』という信徒の気持ちを教職はどう聞くのか」などの反論が相次いだ。
陪席・傍聴者からも発言を求める手が多く上がり、「当該教会は議論を積み重ねて執行に至った。教憲教規を定めるときに神学的論議が交わされたのか」「大阪教区では05年から常置委員会が聖餐に関する学習会を開いている」「合同教会の多様性だけを強調して、公同の教会という点に目をつぶっているのは何故か。教憲教規に従えないというなら、自ら信ずるところに出ればよい」など、熱の入った論議が時間一杯展開された。    (永井清陽報)

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