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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4636号】人ひととき 本堂ゑつさん

2007年10月6日

103歳の新生

本堂ゑつさんは、一九〇四年八月十五日生まれの一〇三歳。八人の子どもを育て上げた。そして、昨年夏から六番目の本堂正さんの家に越して来ている。
沼津に来てからは、正さん夫婦に連れられて、毎週欠かさず礼拝を守り、二階にある礼拝堂へも階段を上り下りする元気なおばあちゃんである。
四月に同世代(?)の集まりであるシメオン会で牧師が説教したところ、説教が良く分かると言う。説教が分かるという声に牧師は勇気百倍、初心者の会に誘った。すると、そこでの入門書の読み合わせでは、周囲の者が驚かされた。若いだれよりも大きな声で、漢字も間違うことなく読み切ったからである。更に、教会生活入門書を一冊手渡すと、すぐに読破して、逆に牧師に質問したいことがあるという意欲的な反応だった。
遂に、本人に受洗の気持ちを確かめ、「日本基督教団信仰告白」を学んで受洗の準備をし、試問会でもイエス・キリストを信じる告白をされた。
洗礼式は、八月十九日の礼拝で執り行われた。さすがに緊張は隠せなかったが、誓約の「あなたは主イエス・キリストの救いのしるしであるバプテスマを受けることを心から願いますか」との問いに、駆けつけた子供たちと会衆一同の耳に届く大きな声で「はい、願います」との返事があった。ゑつさんは、三重県の生まれ。お国訛りが入った「願います」との誓約に心からの告白であることを感じさせられた。一〇三歳で人生を新しくされた沼津教会新星誕生の瞬間である。
ゑつさんは、幼い頃、なぜか「見えざる食卓の客、イエス・キリスト」という言葉を聞いたことを覚えていると言う。その言葉でキリストに出会い、一〇三歳でキリストに捕まり、新しい命に生きる者とされた。洗礼式が終わったとき、「最早われ生くるにあらず、キリスト我が内に在りて生くるなり」との御言葉が聞こえてくるようだった。

教団新報
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