九月九日(日)、十日(月)西中国教区部落解放現場研修会(委員長東岡山治牧師)が、広島県北の三次教会(原野和雄牧師)と三次まちづくり交流センターで開かれた。参加者四二名。
九日夕方、柴田もゆる牧師(教区議長)による開会礼拝。夕食後、広島キリスト教社会館報告、設立五〇周年を迎え、建物改修工事を行ったこと。部落解放を願い、その使命が果たせるよう務めていると報告。
主題講演は、浄土真宗本願寺派西善寺住職小武正教さんがして下さった。
講師は、江戸時代に県北で起こった仏教寺院に対する厳しい差別政策と被差別部落民衆の抵抗についてのべ、「あきらめ」を強い、差別に加担してきた仏教教義にふれた。その中で浄土真宗には、差別を温存し、助長する面と、逆に差別に立ち向かう面の二つがあると言われた。最後に、「私は差別の現実に抵抗し、差別を支えているものを無くそうと、第一歩を踏み出している」と語られた。
翌十日は、三次まちづくり交流センターに行き、部落解放運動にとりくんでこられた大森俊和市会議員さん、市会議員竹原考剛さん、そして解放同盟支部書記長元国由美さんに迎えられ、一九七二年の水害事件から今日迄の闘いをきいた。
三つの川が流れ、山に囲まれた三次市、その市の中で立地条件の悪い処に住まわされた部落は、七二年の洪水で、一般地区より七倍強の損害をうけた。この時部落大衆は立ち上がった。
同和対策事業法の開始により、堤防がつくられ、改善がみられた。しかし〇二年の同対法事業が、打ち切られ、同和教育の破壊で差別は、再び起こった。センターを出て、地域を歩いたが、胸が痛んだ。再び、三次教会に戻り、全員が感想や、まとめを発表した。
原野牧師による閉会礼拝があり、東岡委員長の感謝の祈りで研修会は、終った。
「部落差別の現実に学ぶこと」と「第一歩を踏み出すこと」の大切さを心に刻んだ二日間でした。
(延広和子報)