第35総会期第二回靖国・天皇制問題小委員会が、九月十三日(木)〜十四日(金)、教団会議室で開催された。
開会礼拝(説教/須賀誠二委員)の後、報告・協議が行われた。
NCC報告では、NCC靖国神社問題委員会が石原慎太郎東京都知事の靖国神社参拝に対する反対声明を出したこと、「千鳥ヶ淵戦没者墓苑」諸問題に関するQ&Aを現在作成中であること、中谷裁判の原告、中谷康子氏を講師に迎え開催された「8・15東京集会」(八月十五日、会場・市ヶ谷ルーテルセンター)を後援したこと等が報告された。
当初、一日目夕方は講演会を行う予定だったが、講師をお願いしようと考えていた井門富士夫氏(宗教学者、筑波大学名誉教授、桜美林大学名誉教授)が体調不良を理由に辞退されたため、井門氏が送って下さった論文「日本型『政教分離論』-宗教学的分析の試み-」に関する学習会を委員会内で行った。
井門氏は、「国民国家」が誕生した明治憲法制定後の社会の経過を、「『日本型』の基盤-維新より敗戦まで」、「一九四四年から一九六八年(維新後百年)」、「成熟社会化と宗教-一九七二年以降」の三期に分類し、その変動をたどりつつ、日本における宗教と政治の関係、「政教分離」の問題を分析する。詳細は、後日「社会委員会通信」の小委員会報告で紹介するので、そちらをご参照いただきたい。
二日目は、国家追悼施設問題、靖国神社について、また次回委員会の講演内容について協議を行った。教会にとって、我々キリスト者にとって「靖国・天皇制」とは何なのか、何が問題なのか等を明確な言葉で語れない問題点(課題)が指摘された。
また、日本人とアメリカ人の気質の違いも視野に入れつつ、アメリカでは国家追悼施設をどう位置づけ、教会はそれをどう受け止めているか、軍隊所属チャプレンの信仰理解(自己認識)等について、講師を通し、理解を深めたいと考えている。
次回委員会は、二〇〇八年二月二五日(月)〜二六日(火)に開催、委員会の中で、古屋安雄氏(聖学院大学教授)を講師に招き、「教会と国家」を主題に講演会を行う予定である。
(西之園路子報)