【4638号】EMS青年ワークショップに参加して

夏、世界各地から集った青年たちは、中東の地で共に考え、感じ、祈った

・中東の地-ヨルダンで
二〇〇七年八月、アンマンにて、青年のためのワークショップが開かれた。ドイツ南西、ガーナ、南アフリカ、トーゴ、インドネシア、レバノン、韓国、日本の教会から送り出された青年、二〇名が参加した。オリーブ、なつめやしの実るアラブの地に、十八歳の大学生、二七歳の社会人、三〇歳の牧師、三二歳のファーマー…と、さまざまな青年が集った。極東の日本からは、二名が参加した。
平和構築にむけたワークショップは、南西ドイツ宣教会(略称、EMSエムス)によって進められているプロジェクトであり、これまでにガーナ、南アフリカで開かれている。
EMSは、一九七二年、南西ドイツの州教会によって設立され、ドイツにおける世界宣教と州教会をつなぐ働きをしている。州教会、宣教協会、アジア・アフリカの十七のパートナー教会で構成され、日本基督教団もパートナーとして世界宣教の歩みを強くしている。三回目を迎えた二〇〇七年のワークショップは、中東のヨルダンで開催された。
ここヨルダンの首都、アンマンで開催する理由のひとつとして、Theodor  Schneller  Schoolが挙げられる。この学校は、一九五九年、孤児や厳しい生活環境にあった子どものための学校として、EMSの宣教会、シリア孤児施設福祉事業団によって創設された。
ここでは、宗教、文化、国籍…などの違いを超え、全人的な教育が実践されている。現在、六歳から二〇歳までの男子、三〇〇名が生きる力、生かす力を育み、未来にむかって歩いている。子どもたちの確かな未来にむけた教育は、EMS、その他の組織(例、EVS)、ドイツの諸教会の支援によって実現されている。
学校の隣には、パレスチナ難民キャンプが広がり、長きにわたる中東紛争の歴史を物語っている。広大なキャンプ地を取り囲む長い壁は、何を表しているのだろうか。
・平和をともに考え、感じ合い、祈る
私たちは、学校のドミトリーに滞在し、明るく、素朴な子どもたちと触れ合いながら、平和について、ともに考え、感じ合い、語り合った。一日の始まりに、終わりに、私たちは祈りを合わせた。ある時は、英語で、またある時は、母語で。そして、そこにはいつも讃美の歌があった。歌はいつも心の中に流れ、誰かが歌い始めると、一人また一人とその響きに重なった。青空の下で、夜風の中で、砂の上で、讃美の群れは、祈りを謳った。神さまの恵みに与る歓びに満ちながら…。ともに謳った讃美の歌は、今も私の中で鳴りやむことはなく、鐘の音のように柔らかに響いている。
平和にむけたワークショップのテーマは、キリストにあって生き、生かされる青年が、非暴力によって紛争を解決し、平和を建設していく方法を体得することであった。そして、教会やEMSの群れとともに、平和の主イエス・キリストの示す道を進むことであった。
十四日間のワークショップでは、①異文化を体験する、②紛争の構造を知る、③身近な紛争の解決方法を探る、④平和にむけた青年たちの働きを考える、の四つの体験的なプログラムが行われた。全体ディスカッション、体験ゲーム、グループワーク、個別活動…と、変化に富んでいた。いつも新鮮な気持ちで臨んだ。想像し、創造することの連続だった。聴き、話し、書き、描いた。全身で取り組み、体感し、体験となる活動だった。これらのプログラムや活動には参加者の意見や要望が反映され、より充実したワークショップにしたいという熱意が感じられた。ひとり一人の思いと力は、互いを高め合い、つなぎとめた。日ごとに交わりは豊かに、そして、深くなっていった。
・七色の虹よりも複雑な二〇色の群れ
しかし、私たちはさまざまな文化に生きていた。七色の虹よりも複雑な二〇色の群れだった。たくさんの違いがあった。窮屈に思えることもあった。そのたびに、私たちは話し合い、解決を目指した。違いに耐え、互いにゆるしあい、相手を受け容れ、自分を受け容れてもらう歩みが、平和と平安へ続くことを知った。そして、御言葉に聴き、祈りを捧げた。
わたしがあなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい。これがわたしの掟である。(ヨハネ福音書15章12節)

・アンマン~ペトラ ~死海へ
ワークショップ八日目、学校を離れ、ヨルダン南部へ赴いた。
世界遺産のペトラを歩き、赤い砂漠のワディ・ラムを走った。そして、ヨルダン川が流れ入る死海に浮いた。アンマンからペトラへは、四時間半のバスの旅だった。
炎天下、命の水を携えて遺跡を巡った。あの迫力と美しさは忘れられない。翌日、ジープで砂漠を走り抜けた。ワディ・ラムの鮮やかな砂の色が胸に焼きついている。バスはヨルダン南端から北へ向かった。二つのチェックポイントを通過して、死海に到着した。夕焼け前の塩の湖に浮いた。黄金色に輝くさざなみも、強烈な塩味も鮮明に記憶に残っている。
神さまは、天と地を創造され、私たちを創造された。感謝の祈りとともに、一泊二日の旅は終わった。
・平和へ続く道、和解の道
紛争は、なぜ起きるのだろうか。なぜ繰り返されるのだろうか。どうしたら、鎮められるのだろうか。絶つことができるのだろうか。
私たちは、自身に迫る紛争を見つめた。人間の怒りと憎しみばかりだった。怒りは武力に変わり、憎しみは復讐となっていた。私たちは、主が示される平和と平安へ続く道を探った。互いに和解の道を探し合った。それは、私に迫る紛争であり、隣人に、私たちに迫る紛争であるからだ。和解の道はいくつも示された。青年の群れを拡げながら、道はこれから開かれてゆく。
・讃美の歌と、感謝をもって
イスラム暦のヨルダンでは、金曜日と土曜日に休み、日曜日は働く。しかし、教会は日曜日に礼拝を守り、人々は教会で祈る歓びに満ちていた。私たちは町の教会に招かれ、礼拝する群れに加えられた。ともに祈り、讃美し、聖餐に与った。神さまにつながる歓びを強くした。そして、ワークショップでの体験が、祈りと御言葉によって、より真実となっていくことを覚えた。
讃美の歌と感謝の祈りをもって、ワークショップは終わった。
主の導きと篤き祈りによって、信仰に生きる友と出会い、豊かな交わりと新たなつながりに恵まれた。心から感謝する。
日本からアンマンへは、乗換を含めて、約二〇時間かかる。学生キリスト教友愛会は、日本からドバイ、そしてアンマンへの道のりを強く支えてくださった。深い感謝をもって、ここに報告する。
(馬杉翠報/五反田教会員)

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