【4787号】在外宣教師報告 カナダ♦木原葉子宣教師/ブラジル♦小井沼眞樹子宣教師

カナダ バンクーバー ギルモアパーク合同教会

神の創造の豊かさを摩擦の中にも見出す

 昨年9月、思いがけず、西海岸バンクーバー空港の町、リッチモンドに位置するギルモアパーク合同教会から招聘されました。カナダ合同教会に属する多くの教会がメンバーの高齢化と財政難に苦しむ中、ギルモアパークは、15年前に教会の土地建物を再開発して、隣にシニア向けケア付き住宅を建てて財政問題を解決、さらに、その収入を基に地域への活発な奉仕活動を展開するユニークな教会です。

 日曜日の礼拝出席は80名ほどで、決して大教会とは言えませんが、礼拝・牧会担当のメギー・ワッツ・ハモンド牧師と共に、教会教育・社会奉仕担当牧師としてあえてアジア系移民のわたしを招聘した背景には、リッチモンドに増え続けるアジア系移民をもっと教会に招き、その求めに応えたいという招聘委員の祈りと願いがあったと聞きます。

 多文化多民族の人々が集う教会で働きたいと願っていたわたしにとっては、またとない環境が与えられました。教会のアクティブメンバーの中には、数の上では2割ほど、中国、韓国、フィリピン、スリランカ、マレーシア、南米のガイアナ、と実に様々な国から来た移民の人たちがいます。

 また、地域への奉仕活動の要として行われている毎週木曜日のコミュニティミール(だれにでも開かれたフリーのディナー)には中国系のゲストが増え続けています。リッチモンドには’80年代以降、香港から続いて大陸からの中国系移民が多数移住して、大きなチャイナタウンを形成し、中国語だけで生活できる環境が整っています。高齢者のみならず、若い世代にも英語が分からない人たちが相当数いることがわかり、赴任後間もなく、英中両語によるアナウンスと食前の祈りを始めました。ヨーロッパ系カナダ人のゲストの中に、露骨に不快感をあらわす人たちがありましたが、1年経って、ようやく受け入れられたようです。

 コミュニティミールのシェフはリッチモンド育ちの中国系カナダ人女性です。地域の無農薬農場やフードバンク等と強いパイプを持ち、安価で栄養価が高くおいしい食事を提供しています。ただ、それゆえにゲストが増え続け、教会のホールに入りきれないほどの人々が集まると、ゲストの間に様々な諍いが生じます。生活に困窮するカナダ人の中には、中国系移民の人々への民族差別と嫌悪感をむき出しにする人もいます。言葉と文化習慣の違いを超えて理解を深めるのは容易ではありませんが、決して悲観もしていません。

 それは、移民として、日本とカナダの狭間に生きる中で、行き先も知らずに旅立ったアブラハムとその子孫の物語、見知らぬ土地で異邦人伝道に献身した使徒パウロの言葉がより深く心に響くようになり、また、マイノリティとして生きる悲哀と同時に文化の違いを超えて共通の地平を見出す喜びをも経験したからです。日々異なる人々との出会いを心深く受けとめ、違いゆえに起こる摩擦の中にも神の創造の豊かさを見出したいと願っています。
(木原葉子報/カナダ合同教会ギルモアパーク合同教会)

 

ブラジル オリンダ メソジスト教会

愛し愛される神の家族の中で

 ブラジル北東部ペルナンブコ州レシーフェに隣接するオリンダのメソジスト教会に遣わされ早くも5年の歳月が流れました。その景観を最初に見た人が「オー、リンダ(なんと美しい!)」と感嘆し、それが町の名前になったとのこと。

 けれど、教会が存在するアルト・ダ・ボンダージ地区は、お世辞にも美しいとは言えない居住区です。道路はゴミだらけ、雨季にはぬかるみ歩行困難な状態に。多分、住人の半数以上が満足な職を持てず、生活はとても困難です。職につながる知識や技量を身に着ける機会を奪われてきたのです。昼間から道端にたむろしている若者たち。麻薬やアルコール依存症、十代の未婚女子の妊娠、出産は日常茶飯事です。

 ブラジルの社会問題を考えるとき、ヨーロッパからの植民地支配と300年間続いた奴隷制の歴史を無視しては語れません。上層部から下層の人々にまで根強くはびこる腐敗。貧富の差は世界第2位。基本的医療、衛生、教育システムの不備不足。昨今、国中でこれらの現実に抗する反対行動が起こっています。

 この困難な現実の中で、奇跡を求めて叫ぶ熱狂的キリスト教会が勢いを増しています。規則厳守と、献金を強いるこの宗教活動は、人間の尊厳を回復させず、イエスの名を売り物にした民衆の新たな奴隷化ではないかと思わされます。

 そのような周辺環境の中で、私たちの教会は小さな群れですが、生活と信仰を分かち合って、助け合う共同体形成を目指して歩んでいます。礼拝や祈祷会では、元気いっぱい賛美し、感謝の証しをし、熱心に祈る人々の姿に、イエスが生きて私たちの間におられる!と、いつも心燃やされる思いを味わいます。

 また、隣接する託児所は地域の子どもを無料で保育し、働く母親を助けてきました。現在、長年の夢だった新施設を建設中で、より多くの子どもたちに、安全で子どもに相応しい生活環境を提供しようと挑戦しています。

 言葉の拙い私ができることは僅かですが、一人の日本人宣教師がこの地に存在することで、日伯の宣教協力が促進され、設備的にも社会奉仕の拡大にも希望が生まれています。

 立ちはだかる悪の現実を前に、ときに無力を感じつつも、私自身は愛し愛される神の家族の中でとても幸せです。将来ブラジル宣教師を志す人は、いつでも体験学習においでください。

 アルゼンチン出身の教皇フランシスコが7月末にブラジルへ来られ、人々と触れ合い、行動を通して語られました。彼は、枢機卿時代、ローマには赴かず、ブエノスアイレスの民間アパートで生活し、バスと地下鉄を乗り継いで貧困地区へ出かけ、貧しい人々を助けながら歩いてきました。その中で彼は主イエスの思いを感じ取ってきたのです。権威主義的教会に謙遜になるよう勧め、教会中心主義を戒め、教職者は管理行政を減らし、閉鎖的な敷地から出て行って、街路にいる人々を司牧するよう促します。若者には、悪に負けず、勇気と希望を持って抵抗運動を続けなさいと励ましています。

 ラテンアメリカから吹く新しい風が希望と活力を運んで日本に届きますように。
(小井沼眞樹子報/アルト・ダ・ボンダーデ・メソジスト教会)

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