【4648号】07年度宣教方策会議 課題が深く掘り下げられ、幻が高く掲げられ

日本基督教団の伝道・その協力のために プロテスタント伝道開始一五〇年をふまえて

二〇〇七年度宣教方策会議が、三月十~十一日、富士見町教会を会場に開催された。
「日本基督教団の伝道・その協力のために」の主題、「プロテスタント伝道開始一五〇年をふまえて」の副題のもとに、参加者七二名により、発題、各教区報告、協議がなされ、また礼拝が捧げられた。課題が深く掘り下げられ、幻が高く掲げられ、有意義な学びと同労の良き交わりの時が与えられた。

高橋潤宣教委員長は、「宣教方策のない宣教方策会議はあり得るのかという問」があるが、「全教区の代表者が集まって出会い、議論することなくして前進はないという意見で一致し」、「各教区、諸教会が取り組んでいる現状への相互理解と共に、歴史的な経緯に学びつつ、将来への展望を与えられたいと願っています」と主催者挨拶を述べた。
朴寿吉在日大韓基督教会総幹事は、「方策が豊作になるように祈願する」などユーモアたっぷりに来賓挨拶を述べた。

<歴史・法・開拓伝道から教団に迫る>

◎教団の歴史をふまえて
最初に発題者として立った内藤留幸総幹事は、日本伝道史を五〇年ごとの三期に分け、それぞれの時代を象徴するような特徴的出来事を上げて、概観した。
その第一期、最初の項目は「公会主義をめざして」、時代に翻弄される側面があったものの、欧米の教派主義を排した公会主義への回帰こそが、時代の基調であったことを強調した。
「歴史は雑多で無目的な出来事の積み重ねに過ぎない…ツヴァイク」のかも知れない、内藤氏はしかしそこに「公同教会の形成」という一筋の光を当て、この光のもとに、日本基督教団に起こった雑多とも見える出来事を貫いて働く、神の御旨を探り、説得力豊かにそれを描き出した。
第一期最後の項目は「開教50年祝賀会にみられる特徴」。首相、東京府知事から祝賀挨拶があったという、今日では批判的に見られがちな事をも、教会が市民権を得るために努めた揺籃期の象徴的出来事として歴史的意味で評価した。
第二期でも、「比較的自由な雰囲気で伝道が進展したものの」、「後半、軍部の台頭によって」戦争の時代に突入し教会もこの影響を免れ得なかった事実を認めながらも、「守るべき教義を信仰告白に表した」と評価もし、また同様に「軍事的政治的圧力の存在を否定しないが、公会主義の理想が教団成立の契機であった」と述べた。
第三期については、重大な決議がなされた教団総会等について、そこに居合わせた自らの体験談を交えて、生き生きと描写し、その出来事の持つ意味を、これも、公同教会の形成という観点から洞察した。
第16回総会以降、最近に起こった出来事については、内藤氏の歴史観と教会論に照らして、批判的に語られたが、その果てにある希望に言及がなされて、発題は終わった。
◎信仰告白と教憲から見えてくる教団
三者何れの発題も濃厚なものであったが、特に山口隆康氏の発題は、当人が予告したように一冊の本になるべき内容を一時間に凝縮したものであり、聴衆にとって平易なものではなかった。これを更に縮め、且つ正しく論理展開を辿ることは不可能とも思える。特に印象に残ったことを、拾い上げるよりない。
講演の主題は「信仰告白と教憲から見えてくる伝道」。【Ⅰ】日本基督教団とはどのような「教会」であるか。…ここでは明治憲法下の宗教団体としての教団と、戦後の宗教法人法のもとでのそれとの根本的な違いを「法制史的観点から」説明した。
【Ⅱ】合同教会としての日本基督教団とその伝道論、では、【Ⅰ】の観点を教団に当て嵌めて、国家から自立した憲法(教憲)を定めた教団が、団体ではなく教会となったことの持つ教会論的意義を指摘した。そこにこそ教憲と信仰告白は意味づけられており、常識であるかのように言われるのとは全く逆であり、教憲と信仰告白によってこそ、旧教派の、また個教会の伝道の自由は保障されており、これを否定するところに旧教派も個教会もないという、逆説にも聞こえる大胆な論理が、実に説得力を持って語られた。
山口氏は、「現在教団に生起している具体的な事柄を想定してこのことを述べているのではない」と断ったが、聴衆の思いがその点にこそ向けられたことは否定出来ないだろう。
【Ⅲ】日本基督教団における伝道論の検討、【Ⅳ】伝道論の転換でも、根底に流れるものは【Ⅰ】、【Ⅱ】の論理であったが、ここでは、従来の「説明と解釈」に終始した伝道論を脱却し、「実践理論である伝道論の構築」が急務であることが繰り返し強調された。
【Ⅲ】、【Ⅳ】については、05年12月24日発行の教団新報第四五九三号二面に、同趣旨から語られた山口氏の『伝道する教会(の建設)』と題する、西東京教区伝道協議会での講演概要が掲載されている。

◎伝道の協力
発題の三人目、富里教会内田汎牧師は、「伝道の協力」と題し、二度にわたる自らの実践に基づいて、開拓伝道・協力伝道へと向かった背景・経緯そして幻と現実を丁寧に語った。
最初の事例は、「四国教区の協力による開拓伝道」。
会員四〇名の中村栄光教会から、十二名を所謂枝分けした宿毛栄光伝道所設立は、必ずしも機が熟してではなく、その必要に迫られてということにあったように聞いた。二つの町には、四〇キロの隔たりがある。その後の大串眞伝道師招聘も会堂建築も、同様。「住まいを構え、地に根を下ろしてでなければ」、「幻と現実が追いかけっこして」という表現が印象に残った。
内田牧師は、四国教区互助体制という背景、両教会両牧師の交わりが支えになって事がなったことを特に強調した。
二つ目の事例は、「教会間の協力(親教会群の協力)による開拓伝道」。
親教会群とは、内田牧師の表現によれば、「北総線沿線に教会を作ると言うことだけで集まった緩やかなユニオン」。一方、基本理念として「日本基督教団信仰告白を告白し、教憲教規を遵守する」「千葉支区の交わりの中で教会形成をする」「自立を旨とする」の三点が上げられ、また親教会の「参加要件」の一つに、「献金はするが口は出さない」が上げられた。一致はどこから生まれて来るのかということを考えさせられた。
更に、「千葉北総伝道所が開設される三要件」の三に、「それを担う人」が上げられる。ここで、大串眞牧師が迎えられ、再び二人の協力伝道がなされたことは特筆されなければならない。
内田牧師は、三つの要件を貫くのは信頼関係であること、幻は家庭集会から生まれたことを述べて、その示唆的で希望を感じさせる発題を終えた。

<宣教方策を授けられるべく>

教区報告(三面に記事)の後、八分団に分かれ、昼食を含めて二時間の分団協議が行われた。
全体協議は、二回設けられた。初日の九〇分は、専ら発題を巡る質疑応答に割かれ、二日目には各分団での協議内容が紹介された。
実に多様な事柄が議題に上った。信仰の継承、開拓教会と既存の教会のどちらに重点を置くべきか、教団ホームページの開設、牧師の精神衛生、付属施設と教会、その他諸々。分団を横断して取り上げられた議題は、(牧師の生活を含めて)地方と都会の格差の問題、伝道協力の前提となるべき相互理解・信頼の構築、さらにその信頼の前提となる信仰(告白)の一致。勿論、これらのことは互いに不可分離的なものであり、何が優先ということではない。結局は、高橋宣教委員長が挨拶で指摘したように、教団が確固とした宣教方策を持つと言うことに尽きる、議論の方向はおおよそ、そのように流れた。
宣教方策会議に不可欠なプログラムである礼拝について、報告する紙数が残念ながら尽きた。詳細を述べる余裕はない。
開会礼拝では山北宣久教団議長が、ペテロ一 2章9~10節に基づき、日本プロテスタント伝道の曙が信徒によって担われた点に注目し、信徒の働きに焦点を当て、「神の恵みによって歩む信徒は、神への応答として、身をもって証しして来た」、「マルトゥリア、コイノニア、ディアコニアの三つが合わされ三位一体となってキリストの体なる教会を形成する」等々、福音伝道に生きる信仰者の姿を描き出した。
閉会礼拝では、小出望宣教委員会書記が、ヨハネ福音書15章12~17節に基づき、「教勢減退だから伝道するのではなく、主の選びによる」と力を込めて語った。
→三面に教区報告

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