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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4651号】08年度教区総会報告①未受洗者配餐巡り、更に深まる対立 西中国・大阪・九州・北海・四国

2008年5月31日

問安使実質拒否で激論 西中国

第57回西中国教区定期総会は、五月六日から二日間、山口市の防長苑で開催され、正議員一四〇人中、開会時一二〇人が出席した。
冒頭の組織会で、「北村慈郎教師への退任勧告取り下げを求め、受け入れられないときは問安使を受け入れられない。ただし、傍聴は構わないとの常置委員会通知に対して、山北教団総会議長から『問安使受け入れ拒否と理解する』との返答を受理したので、教団問安使を准議員候補としない」との常置委員会見解が報告された。
これに対し、「問安使に質問・議論したい人も多い中での実質問安使拒否は、常置委員会の判断に疑問がある。教団問安使の拒否は教区問安使の拒否につながる」との反論が出て、「准議員名簿に教団問安使の枠を設ける」との修正案が提案された。
「土俵の上で議論を戦わすのが西中国教区の伝統だった」「昨年も総会前日に結論を出した。常置委員会の在り方に疑義がある」「33教団総会後にも拒否したことがあり、常置委員会の結論を支持する」などの議論が続いたが、論議を持ち越して議事日程議案の採決となり、賛成四九で修正案は少数否決。原案は賛成六八で承認された。
続く議長総括報告で柴田もゆる議長は、「北村慈郎教師への退任勧告に常置委員会から二度、抗議と要望書を送付したが、そのことに関し教区内のいくつかの教会から抗議と要望を受け取った。しかし、現行の教憲教規には、聖餐のあり方についての明文規定はない。忍耐強い対話を積み重ねて行くことが真の一致への道を開く」と述べた。
夕食後の議長総括報告議案で問安使問題は再開され、「数少ない教団執行部の生の声が聞ける機会を常置委員会が何故奪ったのか」
「未受洗者配餐をどう考えているのか」などの意見が続いた。
柴田もゆる議長は「常議員会の出来事を何事もなかったかの様に受け止めて、問安使を受け入れることは出来なかった。同時に拒否し続けることでいいのかという思いがある。傍聴は、そこに道を残したいという思いからだ。今もってこれが正しかったと断言できないし、そしりを受ける用意はある。常置委の審議の中で、このようにしかまとめられなかった」と苦汁の選択であったことを吐露し、未受洗者配餐については「議長の立場で聖餐の在り方について述べるのは止めるが、未受洗者配餐こそ正しいといっている訳ではない」と述べた。論議は時間切れ持ち越しとなり、二日目午前に続開された。
「未受洗者配餐を続けているが、問安使を迎えて激論を戦わしたかった。対話の道は続けて欲しい」「教憲教規にないという発言はおかしい」などの意見に対し柴田議長は、「教憲教規を軽んじていいと思っている訳ではなく、教区運営では教憲教規に神経を使っている」と答え、採決の結果、挙手多数で議長報告は承認された。
これに関連した「北村慈郎教師に対する教師退任勧告の取り下げを求める件」も当然のことながら、ほぼ同様の論議が展開された。原案支持議員が「苦汁の決断であることが、うまく伝わるかどうか」と懸念し、反対論を展開した議員が「教区内の溝が深まり、一致でなく分裂に向かう」と発言するなど、重苦しい雰囲気の中、平行線を辿ったまま、挙手多数で可決採択された。
「日本基督教団と沖縄キリスト教団との合同のとらえなおしと実質化を推進する件」と「米軍再編に抗議し全国の軍事基地撤去を求める声明を内外に向かって表明する件」は挙手多数で可決承認され、第36回教団総会に提案することを決めた。この他、「西中国教区として米兵の女性に対する暴力事件について認識を深め、日米地位協定の抜本的見直しを求めて具体的に取り組む件」を採択した。
教団総会議員選挙結果
【教職】柴田もゆる(廿日市)、東島勇人(益田)、高橋敏通(下松)、小畑太作(周陽)、宇佐美節子(神辺)、西嶋佳弘(広島牛田)、大川清(岩国)
【信徒】浦部頼子(小郡)、島敞史(宇部緑橋)、土井桂子(廿日市)、島村眞知子(広島牛田)、下手従容(周防)、安田浩規(防府)、栗原通了(福山東)
(永井清陽報)

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