被災教会再建支援に取組み 中部
五月二〇日(火)~二一日(水)、第58回中部教区定期総会が行われた。開会礼拝では「荒野で聴く言葉」と題して説教が行われ、聖餐式が執行された。
問題意識を持って議論されたのは、二〇〇七年七月に北村慈郎常議員が発題した内容について、常議員会宛に出された「要望書」について、愛知教会黛八郎伝道師の不祥事について、そして能登半島地震で被災した教会・施設の再建についてだった。
「要望書」に関しては「懇談が教団新報に載った経緯」から「聖餐をどう考えるか」まで幅広い意見が出された。「それぞれの教会の伝統や背景を考慮すべき」「教憲教規で切り捨ててはならない」等、未受洗者陪餐を否定しない立場の発言が出る一方で、「聖餐に対する見解は各個教会で決議するのではなく、教区総会などで決議すべき」「牧師が未受洗者陪餐を行う時、信徒の意見が切り捨てられる」等の意見も出た。
高橋潤議長からは「退任勧告は命令ではないこと」、「同じテーブルで話し合うために、一度同じ土台に戻ることが必要」との見解が示された。
同様の質疑は内藤留幸教団問安使により山北宣久教団総会議長の挨拶が読み上げられた時にも行われた。黛教師に関しては「当該教師が悔い改めの訓練を受ける機会を持つ事が必要」との報告がなされた。
能登半島地震被災教会の現状について、七尾教会牧師館改築、七尾幼稚園の再建が進む一方、羽咋教会は富来伝道所の解体を終え、羽咋白百合幼稚園の再建計画を慎重に進めている。輪島教会は余震によって会堂のひび割れが拡大した観がある事、魚津教会からは再建感謝の報告がなされた。観光拠点の景観が損なわれ、輪島塗などの基幹産業が損害を受けている事など、引き続き支援が必要な状況が訴えられた。これを受けて、「能登半島地震被災教会・伝道所および関連施設の再建のために中部教区諸教会・伝道所で2008年度に1800万円を目標額として献金を募る件」「能登半島地震被災教会・伝道所および関連施設の再建のために中部教区特別会計準備金より2000万円を「能登半島地震」被災教会会堂等再建支援委員会支援募金へ献げる件」が決議された。
二日目は議事再開に先立って、総会で承認された三名の教師が准允を受けた。
また教団の機構検討特設委員会より求められている教団総会議員数削減をめぐっても時間が割かれ、推薦正議員枠を撤廃することが小数者の切り捨てにならないかという意見と教会会議としての内実を整えることの大切さ等が述べられた。その他決議された議題は以下である。「二〇〇八年度宣教実施目標」「名古屋新生教会種別変更」「2008年度歳入歳出予算案に関する件」「秋季按手礼式執行に関する件」
教団総会議員選挙結果
【教職】高橋潤(中京)、横山良樹(半田)、田口博之(名古屋桜山)、井ノ川勝(山田)、加藤幹夫(阿漕)、小宮山剛(富山二番町)、勇文人(若草)、小堀康彦(富山鹿島町)、中島聡(如鷺)、町田久子(幸町)、釜土達雄(七尾)
【信徒】本弘禮子(津)、大杉弘(若草)、中村友之(各務原)、阿部美男(名古屋北)、小森純江(四日市)、上村清(富山二番町)、矢部勉(輪島)、衣川正氣(金沢南部)、永井勝(富山鹿島町)、西尾勝雄(愛北)、木村繁子(中京)
(辻順子報)