【4654号】部落の完全解放を願い 第10回部落解放全国会議

全国から二〇〇名を超える参加者

第10回部落解放全国会議を二〇〇八年六月九日(月)〜十一日(水)に東中国教区で開催する事ができました。神様の導きを感謝します。また、全国の部落解放センターを支えてくださる皆様に感謝します。
第10回目の全国会議は二〇〇六年六月に兵庫教区にて開催の予定でした。その準備段階で部落解放センターは兵庫教区の関係者から、「活動の有り様(ありよう)に関わる問い」を受けました。それは部落解放センターが、今どこに向かって歩んでいるのかという問いであり、「部落解放方針」に「他の差別と連帯していく」とあるにも関わらず、なされてないとの批判でありました。この事は初めて問いかけられた事ではありません。それまでにも問いかけられており、部落解放センター活動委員会にて協議を重ねておりました。改めて問いかけを受け、協議いたしました。何度も協議を重ねた後、「部落差別がなくなりますように、全ての差別がなくなりますように」と願い、さまざまな差別と闘う仲間と連帯していくことを今回の全国会議の中でもハンセン病のフィールドワークを行い、東中国教区での課題を共に学ぶ時が与えられました。
全国会議の中でかつて約一三〇年前に岡山教会で起こった差別事件に学ぶ時がありました。事柄は岡山教会での聖餐式の中で起こったことです。それは、一つの杯でまわされたぶどう酒を被差別部落出身の方が飲んだ後で聖餐の拒否が起こった事であります。この事は大問題となりましたが、宣教師が間に入り、ことなきを得たと報告がありました。それ以上は記録がないので解らないとの事でした。イエス・キリストによって祝福されたぶどう酒を神の恵みとして受け取るよりも、人間に芽生える差別のこころが優先されたのです。大変悲しい出来事です。この事をふまえた上で、次の事を考えさせられました。岡山教会はその当時被差別部落への伝道を行い、その地で家庭集会をおこない深くかかわりをもっていきました。その結果、岡山教会の信徒の1/6は被差別部落の人であったと報告されました。現在の教会が聖餐拒否のような差別事件は起こさないとしても、差別を受けている人と積極的に出会っているだろうか。被差別部落、ホームレスの方々、外国からの就労者、多くのさまざまな差別を受けている人、困っている人と積極的に出会い、共に生きていこうとしているだろうか。知っていながら無視するのも差別ではないだろうかと考えさせられました。
私はフィールドワークで「美作騒擾」(みまさかそうじょう)に参加しました。案内してくださった方は二人いて、一人は差別をして襲った農民の子孫、もう一人は差別され襲撃を受けた被差別部落の子孫でした。「美作騒擾」とは明治維新からの急速な近代化に戸惑い、「解放令」により、優越感の対象を失った農民が、新政府のお先棒かつぎだと戸長、金持ちなどの打ち壊しを行い、やがて、その矛先(ほこさき)は被差別部落に向けられ、焼き討ちと殺人の暴動、騒擾となった悲しい出来事です。長く公表されませんでしたが、当時襲撃した農民の子孫が先祖の罪を明らかにし、このような差別が二度と起こらない事を願ってフィールドワークを続けておられます。
この方にとっては大変苦しい事ですが先祖の罪を真摯に受け止め、差別撤廃の働きをされている姿を見せられ私は感動しました。全国会議は他にもさまざまなプログラムがあり、多くの事を教えられました。また、多くの人と出会えたことを感謝いたします。学んだ事を私の地元で、部落解放センターの歩みの中で考えていきたいと思います。第10回部落解放全国会議を恵みのうちに終える事が出来ました事心から感謝しています。全国会議を覚え祈り支えてくださったことを心から感謝いたします。
(東谷 誠報・部落解放センター運営委員長)

私の中の部落差別~解放へのつながり

六月九日(月)~十一日(水)、第10回部落解放全国会議が岡山教会にて開催された。全国各地から二〇〇名を越す参加者が祈りと課題を携えて集った。テーマは「宣教の課題としての部落解放『私の中の部落差別~解放へのつながり』」。今回の全国会議は開催の基本理念として、当該教区である東中国教区にて立ち上げられた実行委員会において、テーマ並びにプログラムの一切を相互に理解を深めつつ企画・準備するというものであった。準備当初段階では、部落解放のための全国集会を東中国教区の我々が実際に担えるだけの素養と実力があるか大いに不安であった。しかし、この機会によって開催者側であるわたしたちこそが、全国からの参加者の方々との新たな出会いと交わりを通して、部落差別「問題」を自分自身の問題とされる気づきをこの地元・岡山の地で与えられたいと願い、またこの岡山から部落解放のために更なる歩みを進めていく方々の歩みに東中国教区の者たちもつながっていく一歩を共に踏み出せたらとの思いをテーマに込め準備した。また、あらゆる差別と闘う仲間との連帯が強められていくことを願ってプログラムを企画した。そうした願いは、三日間のプログラムの中で実りとはまだ言えなくとも芽生えとなったことであろう。
三日間に亘るプログラムはどれも、わたしたちの根底に深い問い投げかける内容であった。一日目には、狭山事件の当事者として四五年間の闘いをなお懸命に続けておられる石川一雄さんより記念講演を頂いた。見えない鎖からの完全なる解放の日を確信しつつ、誠実にまたひたむきに語られるその真実な言葉に心打たれると共に、部落差別の陰湿かつ卑劣な現実をなんとしても乗り越えていく必要を感じさせられた。
二日目は「美作騒擾(そうじょう)」、「渋染一揆」、「ハンセン病療養所の現在」の三グループに分かれ現場研修が行われ、差別の歴史をそれぞれの生活の視座へと現在化し、人々のうめきと解放への願いに共鳴する日を過ごした。その後、深澤奨牧師(佐世保教会)による聖書研究の時が持たれた。人は信仰の正しさによってではなく「キリストの真実」によって救われ解放されることを確かめ、信仰の正しさを問うところから生まれ得るキリストの名による差別の不幸を考えさせられた。また夜の分科会ではテーマ別に六つのグループに分かれ、更なる研鑚を深めた。翌日、全体会そして派遣礼拝にて、あらゆる差別からの解放と、互いの働きのために祈りつつ、荊冠のキリストが生きて働くそれぞれの現場へと再び遣わされた。
第10回全国会議を終え、東中国教区では部落解放センターの多大な支えにより主催者との一端を担えたことを感謝しつつ、はやくも第11回全国会議開催への関心と期待が生まれている。二年後の開催までに、更に部落解放への思いを強め、今回の芽生えを実りへと少しずつでも前進していければと思っている。
(指方信平報・実行委員)

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