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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4655号】新任教師オリエンテーション

2008年7月26日

教団の教師として宣教を共に担う

新任教師57名が豊かな学びと交わりの時

二〇〇八年度の新任教師オリエンテーションが、六月二三日(月)から二五日(水)まで静岡県伊豆市の天城山荘にて開催された。主題は例年通り「教団の教師として宣教を共に担う」。新任教師が五七名、関係者を含めると計八〇名が参加した。新任教師となって三カ月、それぞれの働きの場から離れて歩みを振り返ると共に、課題や悩みを語り合い、同労者としての新しい出会いと交わりの時となった三日間であった。

毎年恒例のこのオリエンテーションは、次の三つの課題を掲げている。
①日本基督教団の「教師」像を探ること。
②日本基督教団の「宣教」の内容を探ること。
③宣教を「共に」担う協力体制を探ること。
今回の日程の概略は次のようなものであった。
第一日目には、松井睦教師委員長による開会礼拝に続いて、「教団の歩み」として山北宣久教団議長の講演、夜は「交わりの時」。  第二日目午前は、「教団の教師像」として小林眞教団副議長、続いて「教団の働き」として内藤留幸総幹事が発題をした。
午後には、「教団の取り組み~差別と人権~」として東谷誠部落解放センター運営委員長の講演があり、「諸手続の説明」として勝山健一郎幹事、「出版局について」有澤年出版局長、「年金局について」髙橋豊年金局長の話がなされた。
続いて「カルトの問題について」岩﨑隆教師委員が講演した。夜は分団に分かれてディスカッションがなされた。三日目は、「牧会講話」として小島誠志教師の講演があった。
近年、新任教師の年齢層が高くなる傾向が見られたが、今年の参加者は比較的若い教師が多く、教団の歴史について改めて知る時となったようである。

教団の今を理解する

初日の山北議長の講演「教団の歩み」は、大阪万博をめぐって始まった「紛争」について触れられ、その問題点が指摘された。それと共に伝道が停滞し、教勢が低迷している現状分析がなされ、その上で、未来に向けて大胆な伝道の実践をしていくことが必要であるとして、青年伝道や児童・高齢者伝道、献身運動、隠退教師・無任所教師による伝道協力、憲法九条の堅持による平和国家形成のための努力など、具体的な構想が前向きに語られた。
一日目の夜は、ゲームを交えてお互いを知り合う交わりの時がもたれ、場の雰囲気は一挙になごんだ。日本地図を参加した新任教師によって描いたことは大変興味あるものであった。
小林副議長による「教団の教師像」の発題では、紛争によって自らが受験した教師検定が混乱した経験から、教団の教師とは何かについて考えてきたことが述べられた。教師を立てるのは教団という教会であること、教師検定の意味、そして教団信仰告白、教憲および教規という枠組みについて、また、教え・福音・奉仕という教師としてのバランスを念頭に教会に仕えるべきことが語られた。
内藤総幹事の「教団の働き」の発題では、単に事務的に概要を語るのではなく、まず教会形成の基本・土台について神学的に考察するところから語り始められた。そして全体教会と各個教会の担うべき役割について、続いて教団の組織と働きについて、教師の役割について述べられ、すべては神の栄光のためになされると結ばれた。
東谷部落解放センター運営委員長は、そもそも人間にはそれぞれ他人よりも優位に立ちたいという意識があることを分かりやすく解説しながら、現在も部落差別があることを「差別ハガキ事件」などを例に挙げながら語った。
また、被差別部落の起源について具体的に語った。そして教会にも差別が起こること、そして部落差別がなくなるために取り組んでいくことの大切さが訴えられた。
岩﨑教師は、「幻想と新々宗教」と題して講演した。「いわゆるカルト宗教・議論ある団体」とは何かということから始まり、なぜ人がそういう団体に入り込んでしまうのかということ、そしてカルト宗教などの団体の実際の種類等について丁寧に語った。またそのような宗教や団体に入った人の悲惨な現実についても述べられた。予防として、カルトの名前だけでも知っておくことや、相談窓口に連絡することが語られた。

互いを知り理解しあう

二日目午後の自由時間では、温泉に行くコース、近くの滝に散策に行くコース、軽スポーツに汗を流すコースが用意され、リラックスした交流の時を過ごした。
また二日目夜の分団は、出身神学校とCコース出身者がそれぞれ偏らないように配慮して分けられ、お互いに知り合い、また理解するきっかけとなることを願ってなされた。新任教師と言っても、その年齢や人生の背景は様々である。それが自己紹介の中でそれぞれから語られることによって、主の恵みを分かち合う良き交わりとなったようだ。各分団とも実際の働きの場に出ての説教や牧会上のとまどいや悩み、また希望なども語られ、豊かな時間となったようである。
今や恒例となった三日目の「牧会講話」は、今年も小島誠志教師(松山番町教会)に依頼した。自身の豊かな経験の中から、参加者の関心の高い説教や牧会上の苦労などが失敗談を交えて語られ、十分ではない者でも主の恵みによって用いられていくことが証しされた。多くの新任教師の慰めとなり、希望が与えられたようだ。
プログラムの終わりに「全体のまとめ」として参加者全員からひと言ずつ感想や思いが語られた。出身神学校の違いという壁が、この三日間で徐々に崩され、互いに理解するきっかけとなったという意見が多く聞かれた。この会の同窓会をしたいという意見もあった。
最後に鈴木伸治教団書記の説教による閉会礼拝がなされ、参加者は緑に囲まれた会場をあとにし、帰路に着いた。
(小宮山剛報)

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