隠退教師を支える運動が教団総会で可決され、全国的に取り組まれるようになって、今年で三〇年を迎えました。
三〇年にわたる神様の導き、数えきれないほどの人々の支えと協力、そして運動の今後の発展を祈念して、七月二日(水)午前九時二〇分から教団会議室で「三〇年記念感謝礼拝」が行なわれました。
前日から開かれていた「隠退教師を支える運動全教区推進委員会」の委員と年金局理事長、業務室長、その他合計三〇名によって行なわれ、教団総幹事内藤留幸先生から、マルコによる福音書3章13〜19節に基づき「主に選ばれた者たちの務め」と題する説教をいただきました。
イエスが弟子たちを呼び集め(召命)、派遣されたように、隠退教師を支える運動の推進のために、神様がこれと思う人々を召し、派遣していてくださるということ。またコヘレトの言葉3章1節以下から、人間は「時」を区切って物事を考える知恵が与えられているので、この運動三〇年という区切りの年にあたり、神様の今にいたるまでの導きと恵みに感謝し、現状を的確に把握して、その時々の導きを祈り求めつつ今後の歩みを進めるようにという説教でした。
思い返せば、教団総会に議案を提案する以前から北海教区の中で運動の推進に関わってきた私にとって、第20回教団総会でこの運動推進の議案が満場一致で可決されたこと自体、紛争中の当時の総会ではまさに神様のなさる奇跡であり、導きの「時」であったと思います。混迷する教団にあっても、信徒の牧師に対する信頼は失われていないと痛感したものです。
爾来三〇年、この運動がここまで進展してきたのには、信徒と牧師の信頼関係に基づく「祈り」と「信徒運動」という特質によるものと確信しています。三〇年の導きに感謝して。
(井上昌保報)