【4783号】教師委員会 福島問安報告 

「復興」「安全」がぶつかり合う中、福音による救いをもたらすため

8月19〜21日及び9月2〜4日の日程で、福島県の諸教会、幼稚園、施設等を問安した。2度の問安で、18名の教師と25の教会に問安した。教師には会えなかったが様子を見に行った教会が7教会あった。幼稚園保育園等の付属施設を7つ、その他施設を1つ、計8つの付属施設を問安した。
福島の教会で大きな課題は、放射能汚染に関することである。教師や教会員、付属施設の教師や子どもたち、保護者に大きな問題としてのしかかっている。すべての人が同じ意見ではなく、意見の違いによって諍いが生じ、人と人との間が分断されることもある。
一番の問題は、「復興」と「安全」が矛盾する形でぶつかり合うことである。「復興」を優先させれば、放射線のリスクを過小評価することになり、根拠のない「安全宣言」が広告され、多くの人を被爆させることになる。「安全」を強調すると、福島から避難することが何よりも重要な安全確保になり、人口流出に拍車をかけ、あらゆる集まりが衰退していくことになる。そして、どちらの言い分が間違っており、どちらの言い分が正しいとは簡単には言えないところに、問題の深さと大きさがある。
町の復興に欠かせないのは、何よりも人口流出を防ぐことにある。そのためには、福島に暮らしても安全であることが強調される。福島県や市町村、そして町の復興を願う地元の人たちはこの立場にある。市の担当者から保育園に「市の水道水は安全だから、子どもたちに使用するように」との通達があったことも聞かされた。この教師は個人としては水道水を利用しているが、不安を感じている保護者たちに少しでも安心してもらうために、県外のペットボトルを使用していると返答した。しかしその対応が「町の復興の妨げ」として非難されるのである。
現在教団の教会で、原発事故によって2つの教会が活動を停止している。今回の問安で小高伝道所と浪江伝道所に訪れることが出来た。小高伝道所は手続きなしに行くことが出来たが、浪江伝道所は役所にて手続きをした上で教会の前まで行った。
車を走らせながら、その光景の異様さに胸が痛くなった。町そのものはそこにあるのに、人がいない。農地は雑草でぼこぼこになっている。信号のみが動き、パトカーが巡回している。原発事故によってある日突然、町が停止して、教会も礼拝が出来なくなり、付属幼稚園も保育が停止したのである。多くの祈りと、奉仕によって設立され、主の御業を担っていた2つの教会と付属幼稚園の現実を前にして、言葉を失うしかなかった。
復興を強調する人たちの気持ちも理解できる。彼らは自分の町が衰退していくことによってどうなるかということを、目に見える形で見ることが出来るのである。だからといって、放射線汚染の被害を覆い隠すことが正しいとは言えない。このジレンマが大きな重荷として、人の間を引き裂き、その苦しみは軽くなるのではなく日々重くなっているのが福島の現実である。
今回の問安で示されたことは、教団の豊かさである。以上のような困難を前にしても、教会や保育施設、諸施設はその歩みを前進させ、苦しむ人々に寄り添い、福音によって救いをもたらそうと懸命に歩んでいる。日本基督教団には多くの賜物を持った献身者たちがおり、福島の地でイエス様の御跡をたどる歩みをしている。東日本大震災による未曾有の試練の中で、教団の教会や諸施設は、力強く主の御業をそれぞれの地で行っている。その姿を見、その声を聴くことで、各地に注がれている聖霊の働きを豊かに感じることが出来た。
私たちに求められていることは、何よりも祈ることである。福島の地で奮闘している一人一人を憶えて祈り、聖霊の働きが更に豊かにされることを祈るのである。その祈りに押し出されて、私たちは献げものを感謝して献げていきたい。教団の救援献金は確実に執行され、支援に対する感謝の声を多く聴かされた。熱い祈りと献金によって、私たちは被災地の主の御業につながることができるのである。祈りと献金による連帯こそが、この困難の前に示された、私たちの奉仕の業であること強調し、問安報告としたい。
(吉澤永報)

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