書庫番? 宮本義弘
「宣教研究所は書庫番でもしていろ!」という悪口が聞けるような宣教研究所になりたい。
第36総会期第3回常議員会で初めて「宣教研究所委員会報告」の機会があり、1時間弱の質疑応答の時間が与えられた。約50年ぶりに改定しようとしている「宣教基礎理論ならびに宣教基本方策の作成」と「日本基督教団信仰告白に対応した信仰問答の作成」に質疑が集中し、宣教基本方策は長い年月の間に各教区に影響を与えていることを知らされたし、信仰問答の作成にあたっては、その段階ではほとんど着手したばかりであるにも拘らず、その内容を知りたいとの質問が重なったことは、ここにもいろいろな方面からの関心があることを知らされた。陪席者として3年余り常議員会の末席を暖めた者としては初めて宣教研究所の働きが教団の中で用いられようとしていることを実感した大切なひと時であった。
しかし、宣教研究所が発足して50余年、未だ研究機関としての権威が確立していないのが現状である。初期の頃は研究を活発に行い、それ故にアカデミック過ぎると批判を受け、それ以後は何もしなかったら書庫番と勘違いされて現在に至っている。
宣教研究所は、1953年に開催された全国宣教会議での「福音把握の不徹底」の指摘が発足の契機となっている。この問いが問われ続けるかぎり、宣教研究所の本来の任務がこれからも求められ続けていくことになるはずである。
(宣教研究所委員長)