札幌教会の負担金保留問題で議論 北海
北海教区総会は4月29日と30日、北海道クリスチャンセンターで開催された。正議員128名中108名の出席で成立した。
開会宣言がなされた直後、ある議員から、札幌教会の議員資格について疑義が出された。札幌教会は分担金未納(保留)状態にあり、負担金を納めていない教会の議員が登録されていることの当否を問うものであった。この背景には、現在「訴願問題」と呼ばれている一昨年来の問題があり、札幌教会と教区との意見が対立している。それは、札幌教会の行った信徒の戒規について申し立てられた不服(訴願)に関し、その取り扱いを巡る同教会と教区との理解の食い違いである。そうした背景も理由となって、今回の教区総会の会場も、当初は例年通り札幌教会が予定されていたが、同教会が会場提供を断り、北海道クリスチャンセンターでの開催となったという経緯がある。
札幌教会の議員資格に関しては、他の議員からも同様の問いがあったが、負担金納入と議員資格を結び付けないことを確認したかたちで、議事は進められることとなった。
議事日程議案、特別委員選任に関する議案の後、正教師按手並びに補教師准允に関する件が可決され、続く開会礼拝において、2名の按手と4名の准允式が執行された。
午後には「議長総括」とその質疑が行われたが、札幌教会問題をはじめ、およそ一時間半をかけて議論が交わされた。札幌教会問題については、教区としては「札幌教会が話し合いに応じない」とするのに対し、札幌教会の議員はそれを否定して「教区が不公正な扱いをしている」と主張し、両者の言い分は平行線であった。終盤には、札幌教会に新たに着任した米倉美佐男牧師が未受洗者陪餐の問題について、「議論や試論でなく実行されていることを議長はどうとらえるか」と問うた。これに対して西岡昌一郎議長は、「教憲・教規の受け止め方は色々幅がある。根本的なことを共有するには時間がかかる」などと答えた。
法定議案、通常の議案の他、ある痛みを覚えつつ可決されたのは、「元浦河教会の教会種別変更に関する件」であった。第一種教会であった元浦河教会が、教会の現状に沿って第二種への種別変更を申請したものであるが、第一種教会であっても規模的に第二種の要件を満たせない例は、教団全体にわたって決して珍しくない。諸教会に問いを投げかける議案であった。
「パワー・ハラスメントの防止と問題解決に関するガイドライン制定に関する件」は、今日的課題を問う議題であったが、「唐突」「時期尚早」とする意見が続き、さらにはこれが札幌教会問題が関連づけられる疑念を訴える意見も出されて、最終的には、久世そらち新議長の「常置委員会で整えて来年の教区総会に再提案する」という意見でまとまった。
三役選挙結果は次の通り。《議長》久世そらち(札幌北部)、《副議長》笠田弘樹(琴似中央通)、《書記》日向恭司(手稲はこぶね)
常置委員選挙結果
【教職】秋山千四郎 (北見望ケ丘)、黒田靖(東札幌)
【信徒】若杉啓子(月寒)、佐伯嘉美(苫小牧弥生)
(藤盛勇紀報)