共に伝道し、共に支え合う、三役に女性2名 四国
第67回四国教区総会は、4月28日から29日まで、徳島市内の徳島グランドホテル偕楽園を会場として開催された。議員154名中128名(開会時)が出席した。
開会礼拝・組織会の後、議長メッセージが発表された。野村忠規議長は、合同教会としての深い交わりへと導いた先輩教師たちの指導と、謝儀に関する互助運動を始めた先輩信徒たちの熱意に感謝の辞をまず述べた。次に、「そのバトンを受け継いで、足元の歩みに忠実に教区形成をなしつつ、加えて教団中央に敏感に対応しながら、歩んでいきたい、また、財政的には、教区活動連帯金がなくなりかけているなどの厳しい環境にあるが、これも教区は何のために必要かという問いを、教区は教会に仕えるためにあることを再認識する時としたい」とも述べた。最後に、6年間の任期中、すべての教師と信徒の方々から助言と祈りをもって支えられたことに感謝して、メッセージを閉じた。
第一日目は、選挙をはさみながら、主に昨年度の報告がなされた。沖縄教区との相互訪問が先方から返答が得られず実施できなかった件について、今後どういう方針で臨むか質問があり、声をかけ続けていく旨の回答があった。
佐々木美知夫教団問安使の挨拶の後、年金の損失額、憲法九条、ベッテルハイムと伝道150年、君が代の各問題について、質問や意見があった。
第一日目の議事の後、「四国教区の明日-共に伝道していく教区の姿を求めて」との主題で協議会が行われた。近永教会・芦名弘道牧師による発題講演の主旨は次のとおりであった。
《25年間という自身の四国における牧会の経験から、伝道者が土地に根付いて息長く伝道することが大切である。現在も財政の厳しさは変わらないが、歴史的に見て教団発足時には3分の1の教会が自立不能であったことを考えるとき、大きな前進があったと考えるべきであろう。また、旧メソジストのミッションボードが豊かな財源をもとに後先見ずに教会を建てていったと批判する声もあるが、しかし、これは違う。それぞれの地に立てられた教会は地域の拠点として重要なものである。それらの拠点教会を用いて、分区と分区の境界に生じている伝道空白地を埋めていくべく伝道の幻を描く必要がある。
その伝道の幻が、教区自立連帯献金(略称・自連)の壁を突破していく力となるであろう。自連をあてにして開拓伝道をしては困るという非難もあるが、むしろ、自連を原資とする互助を、教師の生活扶助とのみ捉えるのではなく、伝道のツールとして捉えることが必要である。教区主導の開拓伝道ではない、あくまでも各個教会の教師と信徒の熱い願いから、主体的に開拓伝道の機運が盛り上がることを願うものである。》
第二日目は、4名の教師の准允式から始まり、新年度の計画・予算について提案され、教区活動見直しに関する件に関して2011年度から実施する旨の議長提案による修正がなされた。その他については、ほぼ議案どおり承認された。
最後に、互助額の計算を間違えて送った教会があったが、教会には返金を求めないこととした件について、多く払いすぎた金額を明らかにし、教区の経常会計予備費から支出して2009年度の互助に使うべきではないかという質問・提案があり、予備費ではなく、事務費雑費からとしたうえで、提案どおり決議された。
出席していたある牧師の言によれば、「お遍路さんの世界」である四国において、財政的にも厳しい中、地道に主イエスの宣教命令に従って、前向きに伝道に取り組む歩みを続けている各教会の姿勢と、それを支える教区の働きの重要性が強く印象に残った教区総会であった。
議長に黒田道郎議員(石井)、副議長に篠浦千史議員(さや)、書記に堀眞知子(瀬戸キリスト)が新たに選出され、内2人が女性であった。
女性である、家族に病人がある、自身も障がいを負っている、と躊躇する思いは多々あるけれども、神様が弱いところに強く働いてくださることを信じつつ、女性や障碍を負う方々の励みになればという使命感をもってお引き受けします、と、副議長受諾の決意を語られた篠浦牧師の言葉が心に残った。
常置委員選挙結果
【教職】芦名弘道(近永)、小島誠志(松山番町)、黒田若雄(須崎)、岡本康夫(日和佐)、野村忠規(松山城東)、木村一雄(琴平)
【信徒】長島恵子(鴨島兄弟)、濱田康行(土佐)、堀池良明(須崎)、安宅登代子(石井)、井原裕子(三島真光)、寺岡恭仁子(屋島)
(秋葉恭子報)