按手礼執行方法変更可決 九州
第59回九州教区総会が5月4~6日、福岡中部教会を会場として開催された。開会時、正議員260名中188名が出席した。
西畑望議長は、8項目にわたる議長報告を行った。議事に関係する主な項目として、按手礼執行方法変更の再提案について「二種教職制の課題に向き合いながら按手礼を行なうことは、そのこと自体現行制度の中で矛盾を抱え持つ中で行なうものであることを認めざるを得」ない、「教規に定められている教区の処理すべき事項に按手礼がある」として、決議に至る審議を求めた。また、教区財政、教区互助制度について「教会負担金の会員一人当たりの負担額は『大規模教会』と『小規模教会』との比較において最大で2倍の開きがあることが判り(中略)、『小規模教会』に負担を強いる不平等な格差が存在している」として、是正する負担金算出方式検討を行なったことの理解を求めた。
「按手礼執行方法に関する件」は、57教区総会からの審議であり、常置委員会は今総会での可決を目指し、これまでの議論を踏まえて再提案した。提案の主な点は、「按手礼を受按希望者の牧する教会にて行う」、「按手は司式者のみが行う」、「教会員もしくはそれを代表する役員は按手の証人として按手を見守る」という点、また式順を定め按手後に「教会員による祈祷」という項目を加えている。
按手礼と二種教職制を同一に論じることはできないとする反対意見には、既に53教区総会にて決議された建議に基づく提案であり、撤回には新たな総会決議を必要とする、とした。司式者のみの按手は歴史的に特異な執行方法であること、複数の正教師による按手を希望する等の反対意見が述べられ、司式者のみの按手を削除する修正案が出された。採決では、修正案を否決、原案を148名中89名の賛成で可決した。
教区財政、教区互助制度については、教区機構改正、人事部・教会協力委員会報告、予算承認等の議事で繰返し取り上げられた。
教区活動連帯配分金不参加の教区があることで受給教区である九州教区も減額が必至である。このために教区総会を経ずして負担金算出方法改正に着手し、また機構改正検討の開始を今総会に提案した。
これに対し、総枠を維持した予算案ではなく、また算出方法改正を先行させずに、支出の縮減、機構改正を目指した縮小予算が先に提案されるべきである等の反対意見が出された。また教区斡旋の人事でなければ互助を受けられないことに意見が述べられた。
教団問安使である山北宣久議長の挨拶、質疑には二時間弱の時間が用いられ大変丁寧な応答が行われた。挨拶直後に、「問安使への質問事項」が議場に配布され、書記の朗読による質問がまず行われた。聖餐問題、日本伝道150年、教団委員選考、教区活動連帯配分金、粟津安和教師対応についての質問であった。議場からの質問、意見もこれらの内容に集中した。いずれにしても問安使との論議に時間を用いることは、教団の声を教区、各教会が直接に聞くことゆえ貴重である。
初日夜には議員研修が持たれ、戒能信生氏が教勢データを中心に教区現状の厳しさを明らかにした。
議長・深澤奨(佐世保)、副議長・梅崎浩二(大牟田正山町)、書記・福島義人(小倉東篠崎)を選出した。
常置委員選挙結果
【教職】東島勇気(門司大里)、戸田奈都子(川内)、本多香織(直方)、原和人(長崎銀屋町)、吉武二郎(別府野口)
【信徒】川畑馨(佐世保)、浅野直人(福岡警固)、伊津見七生子(若松浜ノ町)、今村泰子(長崎銀屋町)、東隆義(田川)
(渡邊義彦報)