問安使の処遇で激論、三役再任 西中国
第58回西中国教区定期総会は、5月6日から2日間、広島市のエソール広島で正議員141人中、開会時、116人が出席して開催された。
冒頭の組織会で、「なぜ教団問安使が来訪者で、沖縄教区問安使が准議員なのか」との質問が出て、教団問安使問題が大きな論点となった。
柴田もゆる議長は、教団、沖縄教区との問安使派遣を巡る交信を文書で配布し、教団、沖縄教区とも問安使の派遣取り止めに至った経緯を説明した。両者の処遇の差について柴田議長は、「沖縄は、教区が派遣を要請したので准議員とし、それ以外は来訪者とした」と答えた。総会には、中部教区が能登半島地震報告の特使を派遣したが、来訪者として挨拶を行った。
これに対し、「受け入れる限りは准議員とするのは当然で、好きか嫌いかは議論の中ですること」との反論が出たが、柴田議長は、「教団問安使には、これまで条件を付けて来た。お出で頂いた上で准議員にしないということもあった。今回はなるべくお出で頂いて話し合いをするべく道を考えた措置だった。この問題は今後十分に検討してあるべき姿を求めたい」と答え、挙手多数で原案通り承認された。
なお、内藤留幸総幹事はこの文書の中で、「教団問安使は、単なる「来訪者」ではなく、教憲第6条に基づいて「教区を置いた教団」がその責任において行って来た大切な教会的務めです」と述べている。
引き続き行われた議長総括報告は、この流れを受けて反論が相次ぎ、1日目の討議の大半を割くこととなった。「議案・報告書に教勢が1行も出て来ない。教会の活動を話し合う場が教区総会ではないのか。「教会に仕える教区」というなら教会が何に直面しているかを議論するべきで、社会問題に関心を持たせようという意図を感ずる」「長文の議長報告の中に伝道という文字が出て来ない」などの反論があった。
柴田議長は、「教勢を無視して良いとは思っていない。教区の教勢が大変な現状にあるという認識は持っている。報告書に教勢の統計を入れるかどうかは、常置委員会で検討して行きたい」と答えた。
議論は専ら反論に対し議長が答えるという形で進んだが、「かなり激しい発言をだれも止めようとせず聞き入ったのは良かった。教勢を恥じずに報告出来る歩みを教区はして欲しい」との発言には大きな拍手が湧いた。議長報告は挙手多数で承認された。
討議の合間に行われた議長選挙では、柴田もゆる議員(廿日市)が、副議長選挙では、東島勇人議員(益田)がともに有効投票111中85票の圧倒的多数で選出され、書記に小畑太作議員(宇部緑橋)が選出され、三役は揃って再任された。
1名の准允式、2名の按手礼が執行され、新任教師9名が紹介された。懸案だった教区事務所移転問題は、大竹教会に事務所を移転設置する議案が可決され、本年7月を目処に設置されることとなった。
建議「日本伝道150年記念行事開催に西中国教区として抗議の意志を示す件」が議案として採択され、「日本伝道150年記念は決して沖縄切り捨てではない」と常置委付託を要求する意見が動議として成立したが、採決の結果少数否決となり、原案が90票中50票を獲得して可決成立した。
常置委員選挙結果
【教職】宇佐美節子(神辺)、金澤正善(小郡)、橋本直行(光)
【信徒】栗原通了(福山東)、土井圭子(廿日市)、島 敞史(宇部緑橋)
(永井清陽報)