もし自分が83歳になったら、そう聞かれてみなさんはどう思われるだろうか。わたしであれば「教会に行くのが精一杯」、「後期高齢者だから」、という言葉を口にして、つい教会に足を運ぶのが億劫になっている自分を想像してしまう。
林容子姉は今年その歳である。誰よりも教会に早く来られ、誰よりも最後に教会から帰って行かれる。とにかく教会が好き、人と話すのが好き、そして礼拝が大好きな方である。
少々持病はお持ちであるが、元気で、ご自分でも「わ(私)は、幸せだ~」と仰るが、しかし、その歩みは人から見れば決して楽なものではなかった。 27歳で結婚、28歳で長男美土里さん、31歳で次男慎也さんを出産。2人ともウェルドニッヒ・ホフマン病だった。この病気は脊髄性筋萎縮症の一種で、出生後まもなく筋力の低下が見られ、成長と共に全身の筋力が低下し車椅子等の使用が必要となる。さらに平均的な寿命は5歳にも満たない。
そんな中でも慎也さんは12歳で召され、美土里さんはこの難病の方としては奇跡的に25歳という年齢まで生き、召されていった。
2人の息子と夫、宏さんを癌で亡くされ一人になった時、「これからは人のためになろう」と決心する。これまで子どもたちを支えてくれた人たちがいて、自分たちが生かされてきた、今度は自分がその一人になることを自分の生き方とされたのである。
57歳で車の免許を取り、その運転で今も何人かの信仰の友の送り迎えをされる。また長きにわたり障がい者施設での寮母も務めてきた。
先頃ちょっとした病で入院されたが、退院された時のひと言、「入院中は皆さんにお世話になりましたので、これからはさらにまた教会の奉仕に頑張ります」。
神の召しは素晴らしいと感じさせられる人である。
1930年青森市に生まれる。'76年、青森長島教会にて受洗。現在、青森戸山教会長老。